キリル・ペトレンコを聴いてみる

晴。
心が汚くて笑うにゃ。汚物が湧き出してくる。
 
スーパー。元々は今日行く予定でなかったのだが、キムチを買い忘れていたので。ついでに天ぷらを買って昼食(このところ雑煮だった)は半田めんにする。
 

 
NHK+ で「クラシック音楽館」の、キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による東京公演(2023.11.24)の見逃し配信を視聴する。
 やー、キリル・ペトレンコ(1972-)ってまったく知らなかったのだが、ラトルのあとのベルリン・フィルの首席指揮者・芸術監督に選ばれた人なんだってな。なんと、バイエルン国立歌劇場音楽監督でもあるという。え、マジで知らないのっていわれるだろうが、いやー、ほんと俺って何にも知らないんですよ。これではクラシック音楽好きとはいえないな。
 まあ皆さんわたしほど無知ではないだろうが、しかし、出ている CD もめっちゃ少ないんですよ。NML にもほとんどない。ベルリン・フィルに選ばれた際、人選は難航し、当初候補になかったペトレンコがようやく選ばれたという。検索しても、少なくとも日本語では、ペトレンコの情報はさほど多いといえない。日本では、そんなに注目されていたとはいえないのではないか。

曲目は、モーツァルト交響曲第二十九番 K.201、ベルクの管弦楽のための三つの小品、ブラームス交響曲第四番 op.98 というもの。以下、簡単に感想を。
 モーツァルト、聴き始めてまず思ったのは、「え、地味だな」というのと、「射程、めっちゃでかい」ということ。ペトレンコの領域は充分広く、「巨匠的」といっていいくらいであり、ちゃんとモーツァルトが演奏できる。これは最近の指揮者ではめずらしいことで、モーツァルトの巨大さに追いついていない指揮者が多いので、素直にすごいと思った。そして、きっちりとした音楽作りで、地味。正直いって好印象で、で、また、ベルリン・フィルがこういう指揮者を選んだのか、という意味ではまことに意外だった。
 ベルクはわたしのあまり知らない曲だが、ペトレンコは現代曲もきっちり、完全に消化している。もっと色彩豊かな曲だと思うのだが、どちらかといえばモノトーン、そしてベルクの後期ロマン派の延長線上にある、エロスというか、いやらしいところはあまりなくて、これも地味にやっている。しかし、第三曲などは相当に複雑な音楽なのだが、見事な統率とアンサンブルはさすが。これがこの演奏会のベストかなと思う。
 ブラームスは、どうだろう、すみずみまで精緻でものすごい迫力もあったが…、とにかく退屈で我慢するのがたいへんだった。ブラームスはとにかく、もっと田舎っぽく、ダサく、熱くやって欲しいのだが、わたしはね。見事な演奏なのに退屈、というのは、ティーレマンとかに似ているかも知れない。もっとも、ペトレンコはわたしより器が大きいので、わたしがわかっていないだけかも知れないが。
 


 
ミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。エビグラタンパイ+ブレンドコーヒー446円。
岡真理『ガザに地下鉄が走る日』の続き。いつもの半分くらいのペースでしか読めない。言葉を失う。ところどころ涙を禁じ得ないが、それすらも自分の偽善のように思える。
 漸進的ジェノサイド。イスラエル兵の隠語で、「芝刈り」というのがあるそうだ。伸びた芝を刈るように、定期的にパレスチナ人を殺すために大規模侵攻を行うことを、そう呼ぶのだそうである。
 本書を読んでいると、(陳腐な感想といわれるかも知れないが)人間集団はこんな(ひどい)ことができるんだなと思うし、そういった事実を我々は知らない、それがさらにパレスチナ人を絶望させるのだと知る。「人間の尊厳」という言葉が、いかに無意味で軽いか。わたしもまた偽善者のひとりであることを知る。どうせ何もしない、ただ、本書を読了するくらいのことはしようと思う。
 


 
夜。
バッハのイタリア協奏曲(植山けい) - YouTube
寝ころがって iPad miniプロコフィエフオーボエ五重奏曲 op.39 を聴く(NML)。
 
遅くまで『トニカクカワイイ』2期、女子校編、一気に観返す。アホだなあ。