岡崎武志『ドク・ホリディが暗誦するハムレット』

日曜日。曇。

NML で音楽を聴く。■ドビュッシーの十二の練習曲で、ピアノは内田光子NMLCD)。内田光子は録音に入り切らない演奏家といわれることがあるが、この録音などは、入っているレヴェルだけでもすごい。あるピアニストの「十二の練習曲」が全然ダメだったので内田で聴き直したが、まるで次元がちがう。内田は深さで聴かせるピアニストなので、技巧のことはあまりいわれないが、(当たり前かも知れないけれど)技術の水準も圧倒される。
 
昼飯は焼きうどん。

ごろごろ。


岡崎武志『ドク・ホリディが暗誦するハムレット』読了。どこから開いてもいい小文のあつまりであり、ゆっくりちびちびと読めばいいのだが、ついつるつると読み終えてしまった。本書に関し昨日書いたことに付け加えるべきことは特にないが、あとがきから引用する。

日々生きていくことは大変なこと、悔やまれることが渦巻いている。何もしなければ海の底へ引きずり込まれてしまう。そこを何とか、ひと掻き腕を動かすことで浮上していく。私の「ひと掻き」は好奇心で、これは面白い!と心躍らすことが日々を前進させている。これからもずっとそうありたい。(p.237)

わたしがオカタケさんの文章を好むのは、これに尽きるという感じがする。え、その何がよいのかわからない? まだまだですな。わたしは、こういうのが大人だと思うんだけどね。

ウェブ連載はまだ続いているから、続編が出るといいのだけれどな。