Douk Audio U4 Mini 落掌(USB DAC)

晴。
昨晩は澁澤龍彦の文庫版『幻想の画廊から』を読んで寝た。ひさしぶりに読み返してみたけれど、こんなことが書いてあったのかと思ったところがいろいろあった。「わたしは、熱烈な自然の崇拝者であり、とくにエレメンタル(要素的)な姿においてとらえられた自然には、はなはだ心を惹かれる。(中略)そのような広義の自然の姿すら発見することのできないような、純粋抽象の作品には、ほとんど興味がない。」(「混沌から生成へ」河出文庫版 p.79-80)澁澤が「熱烈な自然の崇拝者」というのはちょっと虚を突かれるが、いやいや、それはそうだろうと納得する。特にエレメンタルな相の下に眺められた自然というのは、澁澤のアルファにしてオメガという感じもするくらいだ。澁澤にはもちろん都会的なモダニズムもあるが、そもそもかつては都会であろうとも、そこかしこに「自然」が露出していた筈である。いまのように、田舎に住んでさえ極度に人工化した精神に、澁澤龍彦の興味はなかったであろうと思える。

そう考えれば、澁澤龍彦におけるエロティシズムも、自然のひとつの(主要な)あらわれであったとわかる。当たり前ではないか。
 
大垣。
ミスタードーナツ大垣ショップ。チーズとチキンのトマト煮パイ+ブレンドコーヒー393円。オカタケさんの『ドク・ホリディが暗誦するハムレット』を読み始める。ちゃんと買ったやつですよん、オカタケさんを応援したいので。さて、本書を何と呼ぶべきか。オカタケさんを「雑文家」(御本人は、書評家・ライターと称しておられる)と呼んでいる人がいたが、これでは尽くしていないような感じがするな。本書はウェブに連載された雑多な短い文章のあつまりであるが、確かに「雑文」くらいしか言いようがないかも知れないけれども、わたしはこういうの、好きですねえ。文学を読み抜いてきたぶ厚い土台があって、その上にオカタケさんの日常が、たくさんの引き出しを以てうまく語られている。こういう実力者の書くものは読んでいて安心して楽しめるのだ。モデストな実力者がいない今日この頃、稀な存在。 

昼からごろごろ。
スーパー。
 
Douk Audio U4 Mini 落掌。

昨日書いた新しい USB DAC+ヘッドホンアンプです。7869円。まだ試聴の段階だけれど、いやあ、悪くない。最近の録音はデジタル臭が強いので、試しに真空管アンプにしてみたが(真空管は6N3ってやつだそう)、随分とまろやかな音になった。よい、よい。デザインというか、機械の雰囲気もなかなかよくて、中国製品の洗練を感じる。これから NML で適当に聴いてみます。

NML で音楽を聴く。■ショパンポロネーズ第一番 op.26-1、第四番 op.40-2、第五番 op.44 で、ピアノはマウリツィオ・ポリーニNML)。CDで繰り返し聴いた録音だが、やー、かつてのCDよりいい音だわ。若きポリーニのピアノの低音がよく出ていてすごい。バランスもいい。

シェーンベルクの「浄められた夜」 op.4 で、指揮は小澤征爾サイトウ・キネン・オーケストラNML)。小澤征爾のすごいところがちゃんと出てる! うれしい。バランスがいい。ヘッドホンと USB DAC で三万円あまりのチープなシステムにしては、上出来じゃないか。よいよい。シューベルトの「春に」 D882、「猟師の歌」 D881、「ます」 D550、「幸せ」 D433、「水の上で歌う」 D774、「リュートによせて」 D905、「白鳥の歌」 D957 ~ 第四曲、第十四曲、「冬の旅」 D911 ~ 「菩提樹」「春の夢」で、バリトンはディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、ピアノはジェラルド・ムーアNML)。フィッシャー=ディースカウの伸びやかな声が身に沁みる。録音時期がわかるとよいのだが。うん、以上、すばらしい音になった。どれも超一流の音楽家なのでしんどいことはしんどいが、聴き疲れみたいなのはない感じ。よかった、よかった。

夜。
ゼロの使い魔』1期2期をかいつまんで観る。夜遅くまで延々と観てしまった。