玄侑宗久『祈りの作法』/藤沢周『死亡遊戯』

晴。
音楽を聴く。■ハイドン:ピアノ協奏曲第二番、第四番、第九番、コンチェルティーハ長調Hob.XIV:12(マッシモ・パルンボ、エルンスト・タイス)。第二番の終楽章が、生き生きとした佳曲。第四番は何度か聴いたことがあるので、多少有名なのだろうか。演奏は普通。

Complete Piano Concertos Vol. 1

Complete Piano Concertos Vol. 1

■バッハ:フルート、ヴァイオリン、チェンバロ弦楽合奏のための協奏曲BWV1044 (カール・リヒター参照)。■プーランクフランス組曲(カサドシュ、参照)。変な曲。耳に残りそう。■メンデルスゾーン:セレナーデとアレグロ・ジョコーソop.43、ロンド・ブリラントop.29(ストイアマン、オルベリアン、参照)。メンデルスゾーンはいいなあ。過小評価されているのではないか。■ショパン:ピアノ協奏曲第二番(ラン・ラン、メータ、参照)。ラン・ランのピアノは、音は輝かしいし、技術も充分なのだけれど、何か足りない。どうも、自分の音の美しさに陶酔して、音楽が流れていかない憾みがある。そこが改善されれば、現代の一流ピアニストと云えると思う。■ブラームスクラリネット五重奏曲op.115(ポール・メイエ、カピュソンQ)。本当にいい曲だ。演奏も満足できる。
Double Concerto / Clarinet Quintet Op 115

Double Concerto / Clarinet Quintet Op 115


洋食「3pigs」にて昼食。自家製ハンバーグステーキランチ1100円。ここは久しぶり。結構おいしいハンバーグ。
図書館から借りてきた、玄侑宗久『祈りの作法』読了。震災と原発事故の中で、福島において書かれた文章を集める。お坊さんらしい、困難な状況下での心の持ちようについて書かれたものだけでなく、誰もが悩む被曝放射線量に関しては、非常に科学的に考え抜かれてあって、やはりこの人は並でないと思わされた。そうして、これまでも散々に言われてきた、東電の欺瞞と政府の問題解決能力のなさに関しては、こちらが情けなくてがっくりするほど証拠が上がっている。東電も政府も、日本人として特別である筈もないから、これは日本人のダメさ加減を示していることに他ならない。つまりは日本人は属する「場」の雰囲気に簡単に染められてしまうから、それら集団の「雰囲気」を何とかするしかないであろう。これは今でも、また震災・原発事故問題に限らず、日本人に普遍的な問題であると思う。とにかく、日本人は集団になるとダメなところを、何とかするしかない。もしかしたら、若い人たちは、そういうところは多少希望が持てるのかなと思う。
祈りの作法

祈りの作法

藤沢周死亡遊戯』読了。藤沢周、結構好きだ。併録の「DS(ドミネーション・サブミッション)」のように、思わせぶりは弱点のように見えて、どこかわけのわからない感じが著者の特徴になっている。ただ、著者が思っているであろうほどは、過激でない。表題作などは、歌舞伎町の如何にもという平凡なイメージに引きずられて、言葉の効果が麻痺している。しかし、確実にこの人の世界というものを持っているのは、強みだ。そしてそれは、自分は結構好きなのである。
死亡遊戯 (河出文庫文芸コレクション)

死亡遊戯 (河出文庫文芸コレクション)