岐阜県美術館の「彫刻の散歩道」など

晴。いい天気。
ベルリオーズ幻想交響曲op.14(カラヤン1974)。何という…。とにかく音が戦慄的だ。極上と云うも愚か。少なくとも外面的な意味で、これ以上の演奏はちょっと考えられない。すべての音が意味づけられている。BPOも、オーケストラの行き着く極致。弦も管も、すべてが最高級だ。こうなると、プロ・カラヤンと云うもアンチ・カラヤンと云うも無意味な気がする。■ベートーヴェン弦楽四重奏曲第四番(モザイクQ)。この曲を古楽器でうまく演奏できるかなと思っていたのだが、杞憂だった。さすがはモザイクQ。音は美しいし、終楽章など、迫力も充分。

ブラームスクラリネット三重奏曲op.114(ホアン・エンリク・ルナ、ルイス・クラレット、ヨセプ・コロン)。普通にいい。室内楽の楽しみ。
ブラームス:クラリネット五重奏曲 op.115 クラリネット三重奏曲 op.114 (Brahms: Clarinet Quintet; Clarinet Trio)

ブラームス:クラリネット五重奏曲 op.115 クラリネット三重奏曲 op.114 (Brahms: Clarinet Quintet; Clarinet Trio)


県図書館。
図書館の隣が岐阜県美術館で、ちょっと寄ってみる。大きな企画展はやっておらず、所蔵品展示+彫刻の散歩道というのを観る。絵や彫刻を観るのは久しぶりだったので、何を見てもおもしろい感じ。岐阜出身の山本芳翠がいくつかあって、こういうかっちりしたきれいな絵が好きなんだなと、我ながら苦笑ものである。あと、ここが集めているルドンはかなり好きなので、これまで散々見てきたのに、依然としておもしろい。それから、岐阜の美術賞である「円空賞」の受賞者の作品の中では、前にも書いたはずだが、前田常作がいい。この人の作品はまとめて見てみたいと思う。「彫刻の散歩道」では、日本人の現代美術作品は、殆どすべてが退屈。ただの思いつき以上のものではないのが普通。どちらかと言えば、何の変哲もない、佐藤忠良舟越保武の手堅い裸婦彫刻のようなものに、惹かれる。昔は美術的な「裸婦」というものの面白さがよくわからなかったが、中年になってみると(笑)、そこはかとないエロティシズムは悪くない。全体として、330円で充分楽しませてもらいました。
※追記 前田常作Wikipedia)は後に曼荼羅で知られているらしい。例えば下の絵。