鶴我祐子『バイオリニストに花束を』

晴。
寝過ぎ。
図書館から借りてきた、鶴我祐子『バイオリニストに花束を』読了。なかなか面白かった。著者は、N響NHK交響楽団)のバイオリニストだった方(本書中に、定年退職される話がある)。自ら「歩く放送禁止用語」と称しておられるとおり、お固そうなN響のメンバーにしてはザックバランだ。著者にとってN響はただの「カイシャ」というスタンスなのも、めずらしくて却って気持ちがいい。そして、文章にちゃんと個性があって、ついページを繰らされる。もちろんさすがに音楽のプロというところも多々あって、ここまで音楽が聴けたらいいなあと思わされる。文章はなかなか上手いですよ。気楽に読めるエッセイ集としても充分読めます。

バイオリニストに花束を (中公文庫)

バイオリニストに花束を (中公文庫)


音楽を聴く。■ブラームスクラリネット五重奏曲op.115(ホアン・エンリク・ルナ、東京Q、参照)。いい演奏。この曲はモーツァルトの同じ編成の曲とよくカップリングになっていて、モーツァルトと比較して劣ると云われることが多い(吉田秀和さんなどは、かわいそうなブラームス、とか言っていた)のだが、僕はこちらの方が好きなのだなあ。特に、秋風が吹き抜けるような第二楽章が好きだ。ロマン派の傑作室内楽のひとつだと思う。■メンデルスゾーン:ピアノ協奏曲第二番op.40 (ストイアマン、オルベリアン、参照)。あまり聴かれないようだが、いい曲じゃないか。第二楽章など、じっくり聴かせるし、終楽章は華やか。で、第二楽章のメロディなんだが、これ何かに似ているのだよなあ。何だっけ。ピアノは技術が達者。