双線形形式 g を表す正方行列をCとして、g は座標ベクトルX,Yを使って
g(X,Y)=tXCY
のように書ける(参照)。
ここで、このベクトル空間の基底を変えたとし、新しい基底によって、それら座標ベクトルがX',Y'のように変換されたとする。このとき、X=NX',Y=NY'とする正則行列Nが存在し、
となるから、座標ベクトルX',Y'に関する、g を表す正則行列は、
tNCN
で与えられることになる。
さて、『ラング線形代数学(下) (ちくま学芸文庫)』の、p.18 の練習問題(2)をやってみる。
(問題)g を 上の双線形形式とするとき、標準基底に関して g に対応する行列を
とする。
ここで、基底 {(1,1,0),(0,1,0),(1,1,1)} に関して、g に対応する行列を求めよ。
(回答)標準基底に対する座標を (x1,x2,x3), 変換後の座標を (x1',x2',x3') とすると、
だから、NX'=Xは
すなわち
となる。よって、上より tNCN を求めればよいので、
が求めるべき答えである。