青柳いづみこ『ピアニストは指先で考える』/原武史『「鉄学」概論』/鶴見和子『好奇心と日本人』/ブーレーズ指揮のシマノフスキ

起きたら雪が積もっていた。明けましておめでとうございます。今年もよろしく御願いします。
新年早々、いきなりアマゾンで井筒俊彦『神秘哲学』を1-Click注文。

青柳いづみこ『ピアニストは指先で考える』読了。クラシック音楽ファン必読。読んでいてCDが聴きたくなってきて仕方がない。文章がじつに上手いし、それが優れた音楽家としての知見と相俟っているというのは、稀有のことである。日本のクラシック音楽業界のことについても、色々と教えられる。最近の日本人のピアニストは、主張すべききちんとした個性を持っている人が多くなったと自分は思っていたが、青柳さんも同意見のようで嬉しかった。といっても、自分が知っている日本人音楽家など本当に僅かで、もっと聴いてあげないといけないと反省させられた。ほんと、いい人が結構いるようなんですよ。でも、コンサートもなかなか開けないというのだなあ。自分もコンサートは行けないが、CD(日本人音楽家のCDだって、かなり出ているのですよ)くらいもっと買おう。
(※追記 青柳さんの「ベルガマスク組曲」を聴き直してみたら、以前とは違った印象を受けた。まことに細部まで徹底して考え抜かれた演奏である。ちょっと(言葉は悪いが)神経質に感じるくらい。この曲は大好きで、よく聴くのだが、この演奏で初めてわかった気になった部分が少なからずあった。なるほど、ジュー・ペルレとは、こういうことですか。)

ピアニストは指先で考える (中公文庫)

ピアニストは指先で考える (中公文庫)

原武史『「鉄学」概論』読了。うーん、これは面白い。思わず唸ってしまった。自分も宮脇俊三のファンで鉄道好きなので、そこいらにフィットしてくるのではあるが、著者は優れた史家であるから、日本の近現代史を、鉄道という光源で以て照射しているのがユニークである。文章もいい、骨太の本だ。
「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫)

「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫)

鶴見和子『好奇心と日本人』読了。
ブーレーズの指揮するシマノフスキを聴く。耽美。日録に書く。
シマノフスキ:交響曲第3番/ヴァイオリン協奏曲第1番

シマノフスキ:交響曲第3番/ヴァイオリン協奏曲第1番

ポリーニの2002年録音のベートーヴェン(op.90)を聴き直してみたが、気の流れがひどいことになっている。宇野功芳ではないけれども、じつに嫌な音だ。聴かない方が無難。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22番&第23番&第24番&第27番

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22番&第23番&第24番&第27番


プレミアムモルツの黒は御存知ですか。ギフトで頂いたのだが、これ美味いですよ。期間限定かもしれないが、近所の酒屋にも売っていました。宣伝にあらず!
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