日曜日。雨。
早起き。
●Марта Аргерих Шопен Соната 3 アルゲリッチ ショパン:ピアノソナタ第三番 아르헤리치 피아노 소나타 3번 나단조 작품번호 58 - YouTube
ショパンのピアノ・ソナタ第三番 op.58 で、ピアノはマルタ・アルゲリッチ。録音年代は不詳だが、アルゲリッチの様子から、そんなに前のものではなさそうだ。観客はいないようだが、どういう状況だろうか。めずらしくソロの曲を弾いているが、アルゲリッチも変わったものだ。若い頃はインスピレーションにまかせて、時に聴衆を置き去りにして自分の世界へ入り込んでいくような演奏スタイルだったが、ここでは自然体という他ない姿勢で弾いている。それが、音楽そのものになっているのが、年齢を重ねてからのアルゲリッチだ。
ただ、この曲は終楽章だけちょっと雰囲気がちがうのだが、それまでの三楽章で気負うことなく弾いていたアルゲリッチはそのまま終楽章に入ってしまって、音楽が掴みきれていない。最近のアルゲリッチでも、こんなことがあるのだな。なんとか曲を把握しようとして、手探りしているうちに、曲が終わってしまう。観客はいないが、弾き終えたあと、どこか憮然としたようでもある表情を浮かべて、部屋から出ていくアルゲリッチ。
ん、この動画と同じ演奏かな、服も一緒だし。こちらには、2020.6.25 のハンブルクでのライブ配信とある。コロナ禍の始まった頃だろうか。
●Martha Argerich - Schumann Piano Quintet in E Flat Major, Op.44 (2023) (Live At Teatro Colón) | YouTube
シューマンのピアノ五重奏曲 op.44 で、ピアノはマルタ・アルゲリッチ、その他の演奏家たち。2023.7.15 のライブ録音。アルゲリッチお気に入りの曲で、わたしはこれまでアルゲリッチのピアノで何度も聴いている。なんか観客がすごい熱狂していて、各楽章が終わるたび拍手とブラボーの嵐なんだが、わたしにはすごいのはアルゲリッチだけのように聴こえる。他の奏者たちは全然知らない人たちなのだが、がんばっているのはわかるけれど、名手たちのようにはとても思えない(技術的に下手ということではない)。ただ、ここでアルゲリッチが積極的にリードしているのはまちがいなく、名手たちと共演するときは箍が外れてしまうことのある彼女だが、ここではふつうに整った迫力ある演奏。でも、正直いって全員の一体感のある室内楽とは思えず、演奏は一部つまみ食いしただけだということを書き添えておく。
●Schumann - Piano Concerto in A minor, Op. 54 (Martha Argerich) | YouTube
シューマンのピアノ協奏曲 op.54 で、ピアノはマルタ・アルゲリッチ、指揮は Darío Alejandro Ntaca、オケは Orchestra of the Music Makers。2022.11.8、シンガポールでのライブ録音。オケも指揮者もまったく知らない、オケははっきりいってあまり上手くなく、ヒヤッとするところにわたし程度でも何箇所か気づいたくらいだが、指揮者がうまくまとめている。というか、この指揮者、ここではかなりいいんじゃないか。アルゲリッチは触発されて、明らかにノッており、オケがあぶないところもよく聴いていて、決して集中力を切らさない。指揮者もよく反応していて、終楽章など、わたしは強い感動を覚えて泣いた。一流の名演などではないけれど、音楽とは不思議なものである。聴衆も演奏後すごい熱狂であり、よくわかる。
英語の Wikipedia によれば、Orchestra of the Music Makers というのは、ボランティアと若手のプロとの混成だという、シンガポールのオーケストラだそうである。なるほどな。指揮者については英語の Wikipedia にも項目がないようだ。
#
スーパー。雨のせいか人少なし。
長時間、昼寝。
はてなブログタグを使ってネットをうろついていたところ、寺林武洋という画家を知る。現代日本の、それも(特に田舎の)何でもない日常の一部をリアリズムで描いているのかなという印象の作風で、ネットで見ただけだが、一見しておもしろいと思った。近くで個展があったら、実際に見てみたいな。
夜。
●【辻 彩奈、鳥羽 咲音、藤田 真央】ラヴェル:ピアノ三重奏曲イ短調 - YouTube
なかなか気合いを入れて演奏しているが、ちょっと眠くなっちゃった。ラヴェルの名曲なんだけどねえ。でも、いちおう最後まで聴いたよ。やはりというべきか、藤田真央のピアノがいちばん聴かせるのかな。ま、寝ころがって iPad mini でテキトーに聴いただけだから、真剣に受け取らなくていいと思います。
辻彩奈さんは期待の若手ヴァイオリニストらしく、絶賛活躍中なんだな、かなり検索に引っ掛かる。どうやら岐阜県出身(大垣市)とか。同郷者でしたか。鳥羽咲音さんも、十代の頃から有名だったのだな。
●Beethoven String Quartet in C Minor, Op. 18 No. 4 - YouTube
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第四番 op.18-4 で、演奏は Cooperstown Quartet。2016.2.5 のライブ録音。iPad mini で聴いた。
バシュラールの『水と夢』の続きを読む。わたしにバシュラールはなかなか歯が立たなくて寝落ちしてしまう。