『李良枝セレクション』 / 渡辺京二『気になる人』

日曜日。晴。
昨晩は早く床に就いたが、なかなか眠れなくて輾転反側していた。
 
メジロがチクチクいっている。
 
NML で音楽を聴く。■バッハの半音階的幻想曲とフーガ BWV903、「アンナ・マグダレーナ・バッハの音楽帳」第二巻 BWV Anh.113-132 で、ピアノはカール・ゼーマンNMLCD)。■ルーセル交響曲第一番「森の詩」 op.7 で、指揮はシャルル・デュトワフランス国立管弦楽団NML)。1985年の録音。

 
昼。
よく晴れて抜けるような青空。珈琲工房ひぐち北一色店。
『李良枝セレクション』の続き。承前。短篇「石の聲」を読む。これも在日韓国人が主人公だが、今度は男性だ。前に読んだ「由熙(ユヒ)」「刻」と比べると男性キャラゆえにかどことなく薄皮一枚を隔てているもどかしさはあるが、それでも不透明な文章は掘削し甲斐がある。ひさしぶりに、「物語」ではなく「小説」を読んだという感じ。しかし、題名の「石の聲」って、何だ? どこか読み飛ばしたかな?
 
図書館から借りてきた、『李良枝セレクション』(2022)読了。温又柔さんによる解説が随分と参考になった。「石の聲」は未完で、長篇の第一章になる筈のものだったのだな。37歳はあまりにも早すぎる。わたしには小説というものがわからないのだが、それでも本書はおもしろかった。いや、おもしろいで済ませてはいけないのだろうが、それがわたし程度の限界かも知れない。
 

 
渡辺京二さんの対談集『気になる人』(2015)を読み始める。おもしろくてどんどん読める。
 
夜。
図書館から借りてきた、渡辺京二『気になる人』読了。対談集、というか、渡辺京二さんが気になる熊本の人を選んで、渡辺さんがインタビューするという、贅沢な本。最初の坂口恭平さんとの対談がきっかけだったらしい。やはり、ラストの伊藤比呂美さんとのが、別格的におもしろかったかな。
 渡辺京二さんの話を老母にしていたら、その5分後くらいに渡辺さんの訃報がニュースで流れて、その偶然に驚く。享年92。わたしは、渡辺京二さんはそれほど読んでいないのだよね。既読は書架に文庫本中心で、8冊あった。まだ、名著として名高い『逝きし世の面影』も読んでいないので、これは読まないとな。 
 
U-NEXT で映画「私をくいとめて」(2020)を観る。監督は大九明子、原作は綿矢りさ。のん(能年玲奈)の演技を観たことがなかったので(「あまちゃん」も観ていません)、先日原作小説を読んだこともあり、観てみた。始めは PC で(マジメに)観ようとしたのだが、5分で挫折、ごろごろしながら iPad mini でだったら何とかいけた。原作にはかなり忠実、さて、独身の三十路女の恋を演ずるのんは、どうなんだろうなあ?