三時間ほど寝て、開高健と島尾敏雄と大江健三郎が出てくる夢を見て意識が戻ってくる。古本屋が舞台だった。ここで島尾と大江はどうでもよくて、開高の連想から、自分の青春時代というか、精神形成期というかの精神状態が数時間にわたって一気に展開していった。ここに詳細を記そうとはまったく思わないが、自分のための覚え書きとしてメモしておくと、開高健と松田優作と山下達郎がわたしの中でトライアングルになっていることは早くから意識されていたけれど、それに澁澤龍彦や、露伴や、マウリツィオ・ポリーニ、グレン・グールドあたりが隣接していたと認識してよいのだなとわかった。それはひとつの可能性であったと今では思わないでもないが、生きながらわたしを葬り去ったのが世界の極端な人工化への驀進であったことはわたしには自明のことである。いまとなっては、いやいまさらであるが、高度資本主義と結び付いた世界の徹底した人工化の生成する幼稚な想像力による世界の再組織化と、向き合わねばならないことになっているわけで。まさに時代遅れという他あるまい。
午前四時頃からセミが鳴き出すのだな。
曇。
暑い中、朝から老父母が外で働いているのに、わたしがクーラーの利いた部屋でごろごろしているのは何なのでそういうと、昼飯を作れというので焼きそばを作る。ま、焼きそばなんて小学生でも出来るけれどね。
昼からもごろごろする。
NML で音楽を聴く。■バッハの無伴奏チェロ組曲第二番 BWV1008 で、チェロはビョルク・ルイス(NML、CD)。■クシェネクの六つのフェルメッセン op.168 で、ピアノはスタニスラフ・フリステンコ(NML、CD)。■クシェネクのピアノ・ソナタ第四番 op.114 で、ピアノはスタニスラフ・フリステンコ(NML)。
■ペンデレツキのフルート協奏曲で、フルートはジャン・クロード・ジェラール、指揮はアルヴォ・ヴォルメル、エストニア国立交響楽団(NML)。- アーティスト:Penderecki,Bartok,Gerard,Volmer
- 発売日: 1996/12/17
- メディア: CD
早寝。