内田樹『ローカリズム宣言』

曇。
 
大垣。外気7℃、寒い。
ミスタードーナツ大垣ショップ。エビグラタンパイ+ホット・スイーツパイ りんご+ブレンドコーヒー688円。あと、ひさしぶりに家族の分のポン・デ・生チョコショコラ×3(678円)をテイクアウトする。
 『中井久夫集5 執筆過程の生理学』の「精神科医の見た二都市」という文章を読んで、唖然とする。「二都市」というのは神戸と東京のことで、阪神・淡路大震災を経験した神戸人が、たまたま東京を訪れて何を考えたか、というもの。関西空港から夕方の羽田空港に到着し、ゆるゆると進めていかれる文章がめちゃめちゃカッコいいのであるが、それは措いても、いったいこの人は何者であるか。「精神科医の見た」とあるけれど、ほとんど、「賢者の見た」であろう。
 稀代の大読書家では、もちろんある。でも、たんにそれに留まらない。むしろ、「世界という書物」を直接読む力が抜群、まさに飛び抜けていて、それが、わたしごときには推し測りがたいほどの、古今東西の博識に支えられている。在野の、超人的な知識人というほかない。というか、わたしにはどこか、「魔術師」のようにも見える。
 
大垣からの復路はよく晴れていて、もう冬至も近いのに、直射日光の入る車内では、体がほとんど暑いくらいである。空気は澄み渡り、国道21号の新揖斐川橋からは、北と東の遠方に岐阜の山々を望む。そういや、往路では美濃の西の連山が冠雪して、見事な景色だったっけ。
 

老父の畑。12.2 に撮ったもの。
 
昼。
県図書館。借りたもの。
 『エマ・ゴールドマン自伝』(邦訳2005)全2冊で、さらにいずれもぶ厚い、たぶん読まずに返すことになりそう。栗原康の『何ものにも縛られないための政治学』(2018)はこれまたおもしろそう。エマ・ゴールドマンは、栗原さんの本で知ったのだった。
 ジョルジョ・アガンベンの『ホモ・サケル』(邦訳2003)と、『吉本隆明全集29 1993-1997』(2022)。
 内田樹の『ローカリズム宣言』(2018)と、トマ・ピケティの『来たれ、新たな社会主義』(邦訳2022)。
 雑誌コーナーで『新潮』誌一月号、東浩紀「哲学とはなにか」、蓮實重彦&千葉雅也の対談「驚きの連鎖を生きる」などを斜め読み、いずれもほとんど中身がない。伊藤比呂美さんの谷川俊太郎追悼文はなかなかよかった、やっぱり伊藤さんだなあ。『中央公論』誌一月号、浅田彰さんの「私が見てきた昭和③ 熱い60年代、冷めた70年代 そしてニューアカブーム」は浅田さんも劣化かと驚く。もっとも、インタビューの再構成のようだから、それをやった人がしょぼかったのかも知れない。
 って、またまたわたくしごときが何様。
 
帰りにマックスバリュに寄る、鰯団子×4、ミニホタテなどを買う。
 
図書館から借りてきた、内田樹ローカリズム宣言』(2018)読了。副題「『成長』から『定常』へ」。内田樹、ぷんぷん怒ってるなあ。怒るのは悪くないけれど、さすがにちょっと怒りすぎなんじゃないか。

資本主義的商品にしてはいけないものがある、ってのはほんとそうだよね。わたしが思う、いちばん資本主義的商品にしてはいけないものは、自分の人生である。これはたぶん、異論が多いのではないか。ま、深い意味はない。
 
夜。
アマガミSS』絢辻さん回を観返す。好きだねえ、オレも。