こともなし

晴。
音楽を聴く。■ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第三番 op.37 (ケンプ、ケンペン、参照)。これいいなあ。いつまでも聴いていたい気持ちにさせられる。■ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第二番 op.100 (ロランソー、ファルジョ、参照)。まずまずか。
イオンの写真屋と酒屋。

第十七回ショパン・コンクールだが、小林愛実は本選に残ったものの、入賞すらならなかったようだ。小林愛実You Tube で抜群の再生回数をもつ、若いピアニスト。このブログでも過去に何回か言及している(例えばここ)。そのコンクールの本選は知らないが、予選の演奏は既にいくつか You Tube にアップロードされている。その予備予選を聴いてみたのだが、確かにこれでは優勝は無理かも知れないと思った。この人、たぶん音が小さいのではないか。スケルツォ第一番などでは、特にそう思った。技術がないわけではなかろうが、バリバリ弾く感じではない。また、天才的なインスピレーションの塊というのでもない。音色も地味。ではつまらなかったかと云えば、正反対なのだな。少なくとも僕には、非常におもしろかった。何というか、次どんな演奏をするのだろうという期待で、次々と聴いてしまうのだ。小林愛実は、本質的にマイナー・ピアニストだと思う。何だかわからないが、聴き手を大変に惹きつけるところがある。けれども、コンクール向きではないであろう。まあ、入賞もできなかったのは本人にはショックだろうが、ダメになってしまったわけではないと思うので、頑張って欲しいものである。なお、ここ何年かは海外に留学している筈だが、それで特によくなったわけではないようだ。持ち味がなくなってしまわなかっただけでも、よしとするべきか。ただ、比較していないのだが、昔の演奏、例えばローティーンの頃と比べてどうなのだろう。進歩はないのか。そこらあたりだな、問題は。
 本選の動画を見つけたので聴いてみた。僕が審査員でも、この演奏には票を入れないだろう。オーソドックスで美しい演奏だが、ここには魔術がない。小林愛実の演奏としても、いつもの深さがない感じがする。実際、第一楽章の八割ほどと、残りの楽章のそれぞれ冒頭しか聴かなかった。聴いていられなくなったのである。彼女は集中していないわけではないだろうが、オーケストラに引き摺られたか。ただ、視聴者のコメントは好意的なものが多い。そこは嬉しい気がする。

今日は色々あって本を読まなかったな。また読もう。PC で「EMANの物理学」を読んで、夜更ししている。この素晴らしい HP をコンプリートしたくなってきた。これだけわかりやすく説明できるというのは、それだけでひとつの才能だと思う。もうすぐ量子力学の書籍版が出るらしい。買って応援しよう。