晴。
市民プールが工事中だったので、このところ県営プールに通っていたのだが、市民プールが再開したのでまた行ってみる。こちらの方が安いのだが、県営プールに慣れてみると水温が高すぎる。泳いでいると暑いのなんのって、脳の血管が切れるのではないかと思ったくらい。チケットはまだだいぶ残っているけれど、こっちは遠いし、どうしようかなあ。帰りに道草する楽しみはあるのだが。
帰りにアピタとその本屋。
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小島寛之『数学的推論が世界を変える』読了。副題「金融・ゲーム・コンピューター」。これは面白かった。じつにユニークな本で、マネー・ゲームとコンピューター、引いては論理学、ゲーム理論までが結びついて、入門書として新たな地平を拓いている。取り敢えず、アルゴトレーディングや金融工学の世界とはこういうものだったのか、というイメージを与えてくれるのがありがたい。著者は、論理学を極めれば、金融の世界で濡れ手に粟の大儲けができるかも知れないと、読者を煽る。個人的なことを云えば、自分はそんな世界は真っ平御免で、例えばこつこつとモノ作りに励んだりする実体経済を、ギャンブルの土台にしてしまうような(そして往々にしてフェアでない)カジノ資本主義にはうんざりするが、現代の世界では、俐いのにそうしないような者は馬鹿扱いされるだろう。しかし、それが現実であるし、それを覆す(ほとんど不可能だろうが)にしたところで、本書程度の数学の知識は必要最小限度だろうというのは、嫌な話ではある。
まあ、本書には色々なことが書いてあって、論理学の入門書としても使えるのはいい。ただ個人的に、いわゆる「古典論理学」は問題ないが、「様相論理学」については、今ひとつその正しさが納得できたわけではないことは記しておきたい。それから、ゲーデルの「不完全性定理」であるが、本書のように、チューリング・マシンの計算不可能性を使った証明のアウトラインを描いているのは、自分は初めて見た。これは面白いと思う。
数学的推論が世界を変える 金融・ゲーム・コンピューター (NHK出版新書)
- 作者: 小島寛之
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2012/12/10
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