2013-02-23 鈴木大拙『金剛経の禅/禅への道』/メルヴィル『ビリー・バッド』 日記 晴。 図書館から借りてきた、鈴木大拙『金剛経の禅/禅への道』読了。金剛経の禅・禅への道 (新版 鈴木大拙禅選集)作者: 鈴木大拙出版社/メーカー: 春秋社発売日: 1991/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見るメルヴィル『ビリー・バッド』読了。著者の遺稿。奇妙な小説だ。いったい著者がこの小説で何が書きたかったのか、なかなかわかりにくいが、本作に魅力があることも確かである。だいたい、主人公は本当にビリー・バッドなのか。ヴィア艦長ではあるまいし、と考えると、語り手あるいは作者その人が、主人公ではあるまいかなどと、変なことを思わされたりする。実際、語り手は本作の中に入り込んでいるし、ビリーは天使のように描かれていて、個性というものが感じられない。また、本作の魅力は、単純なストーリーにあるわけでもない。筋はと云えば、水夫ビリーが反乱の濡れ衣を着せられて、彼を陥れた上官を船中で撲殺し、自身も縛り首になったというだけのことである。まったく不思議な小説だ。ビリー・バッド (岩波文庫 赤 308-4)作者: メルヴィル,坂下昇出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1976/01/16メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 5回この商品を含むブログ (8件) を見る