ファン・ヘネップ『通過儀礼』/伊藤計劃『虐殺器官』

曇。ぐずつく。
ファン・ヘネップ『通過儀礼』読了。手強い古典。文庫解説はとても勉強になった。

通過儀礼 (岩波文庫)

通過儀礼 (岩波文庫)

伊藤計劃虐殺器官』読了。とうとう読んだ。大傑作。読み始めはただのバイオレンスSFかと思っていたのだが、読み進むに連れて、そんな簡単な小説ではないことに気づいた。時間設定は未来なのだが、我々の現実の一部から直結している。細かいことは書かないが、「純文学、負けているなあ」とつい思ってしまいました。自分のような者が云うのも何だが、純粋に小説としての出来も、かなりのものである。残念ながら自分は本書を論ずる言語を欠いているから、興味ある方はネットで検索してみて下さい。本当に著者の早世が惜しまれます。
※追記 はてなでの評判を見てみたが、意外と絶賛はない。ねちねちと文句をつけているのが結構あって、そういうものかと思った。SFファンも、ルサンチマンに塗れているのですか? そりゃたかがSFと云えばそうだが、出来がいいのは明らかなのに。SFは遊びなのだから、細部にケチをつけたら切りがないでしょう。上にも書いたけれど、小説そのものとしてもなかなかだと思いますよ。主人公のヒロインへの執着がちょっと安易ではあるが(冷酷な戦争マシーンがそう簡単に女に惚れていいのか、とか)、そのくらいのことは仕方ない。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)


ビーチ・ボーイズのマスターピース「ペット・サウンズ」を聴く。"God only knows" がとりわけいいね。
ペット・サウンズ

ペット・サウンズ

山下達郎「氷のマニキュア」。軽い感じで聴くと格好いい。