湯浅浩史『植物からの警告』

晴。
ふう。明日はようやく日曜日だ。これで一息つける。
ロンドン・オリンピックで日本の男子サッカー、やりましたね。つい中継を観てしまった。エジプトに3-0で勝てるとは。で、なでしこジャパンと共に、ベスト4ですよ。こうなると、永井の怪我が心配ではあるけれど。

湯浅浩史『植物からの警告』読了。地球環境の変化が、植物にどのような影響をもたらしているかを論じた本である。著者は「地球温暖化」という観点よりも、「気候変動」という枠組みで地球環境問題を考えるべきだという。「地球温暖化」よりも、「降水量の変化」の問題の方が重要だというのだ。植物は水との関係がもっとも重要であるからである。確かに素人の実感でも、日本に限っても最近は「記録的な」という豪雨が多すぎるような気がする。
 また、日本の山の「竹林化」の問題もしっかり指摘してある。里山が維持されなくなってきているので、かつては管理されていた竹林が、野放しになっているのだ。山の斜面を覆った竹林は、根が浅いため、大雨などで却って地すべりなどの危険があるのである。
 なお、もともと日本では、じつに昔から木を切った後に植林が行われているそうで、既に万葉集に出てくるくらいだという。これは世界的に見て、相当に稀有のことである。我々の祖先は、どうしてこのようなことに気づいたのだろうか。

植物からの警告 (ちくま新書)

植物からの警告 (ちくま新書)

中沢新一の新著『野生の科学』落手。久々の単著で、読むのが楽しみだ。