青柳正規『逸楽と飽食の古代ローマ』/川上未映子『世界クッキー』/リヒテルのハイドン祭

日曜日。晴。
カルコス。
青柳正規『逸楽と飽食の古代ローマ』読了。ペトロニウスの『サテュリコン』を精読している。「トリマルキオの饗宴」から、古代ローマにおける「饗宴」の様子を浮かび上がらせている。

サテュリコン―古代ローマの諷刺小説 (岩波文庫)

サテュリコン―古代ローマの諷刺小説 (岩波文庫)

川上未映子『世界クッキー』読了。エッセイ集。川上未映子、いいではないですか。笑える文章を書けるところが、今どき希少価値だ。特に若い人たちに支持されているというのは、当然だと思う。すごい才能です。

このあいだ私は、喫茶店でお茶を飲みながら、あっ。このお店にいる人が全員もれなく、頭蓋骨を所有しているのだ! という当然のことにはっと気がつき、驚いて、動けなくなりました。だからってどうしようもないのだけれど、なんだかどきどきはおさまらず、仕方なく数をかぞえたりしました。七個ありました。(p.139)

それにしても、いま活躍している文筆家の中で、これはすごいという人に関西人が多いというのは、どういうものだろうか。村上春樹柄谷行人町田康… 気のせい?

世界クッキー (文春文庫)

世界クッキー (文春文庫)


ハイドン祭の延長で買った、リヒテルの弾くピアノ・ソナタ集を聴く。大満足。44番や40番、41番のリリカルな演奏、48番や52番の緊張感あふれるダイナミズム共にさすがだ。48番と52番をグールドの演奏と比べてみると、リヒテルの方が素直であり、より曲想に寄り添っていることがわかる。48番の終楽章など、息を詰めて一気に弾かれる緊張感に圧倒されるほどだ。リヒテルハイドンは、晩年のデッカ録音の二枚しかないのだろうか。もっと聴きたいのですが。
ハイドン:ピアノ・ソナタ第44・40・41・48・52番

ハイドン:ピアノ・ソナタ第44・40・41・48・52番