グレンベック『北欧神話と伝説』/岩佐東一郎『書痴半代記』/ハンス・ヨーナス『生命の哲学』

雪。昼から晴れる。
妹の家族と、名古屋の伯母が来る。半年見ない間に、甥っ子たちが成長したなあと思う。子供がすぐに大きくなることを実感。
ヴィルヘルム・グレンベック『北欧神話と伝説』読了。北欧神話をリライトした本。骨太な文章で、なかなかすらすらとは読めなかったが、いい読書だった。解説に拠ると、原著者グレンベック(1873-1948)はデンマーク人で、デンマーク文学に少なからぬ貢献をした人物らしいし、訳者の山室静(1906-2000)という人も、埴谷雄高堀辰雄らと、同人活動をしていたような人らしい。近代人が書いたにもかかわらず、文章、構成に古拙な風がある。

北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)

北欧神話と伝説 (講談社学術文庫)

岩佐東一郎『書痴半代記』読了。浅学にして著者のことは知らなかったが、堀口大學門下の詩人だということである。ウェッジ文庫の本らしく、滋味溢れる無用の書だ。
書痴半代記 (ウェッジ文庫)

書痴半代記 (ウェッジ文庫)

ハンス・ヨーナス『生命の哲学』読了。科学がすべてを覆っている時代としての現代における倫理を考察した、重要な書物。それにしても、『責任という原理』が品切れなのは、なんとかしてほしい。
生命の哲学―有機体と自由 (叢書・ウニベルシタス)

生命の哲学―有機体と自由 (叢書・ウニベルシタス)