ガリレオ『偽金鑑識官』/ポリーニ18歳の時のショパン

晴。
ガリレオ・ガリレイ『偽金鑑識官』読了。論駁の書。相手の論難はひどいものだが、ガリレオも、彗星を天体ではなく、水蒸気の塊の見かけ上の効果としている点など、間違っているところも結構ある。しかし、やはりガリレオの反論は、クリアで簡潔、そこのところが違う。権威に盲従しないし、自分が分らないことと分っていることの差が、はっきりしているのだ。

偽金鑑識官 (中公クラシックス)

偽金鑑識官 (中公クラシックス)

寝る前にポリーニショパンを聴く。ポリーニ弱冠18歳、ショパン・コンクール優勝の直後の協奏曲第一番の録音だが、この甘い曲を弾いて、既に硬質にして完璧、格好いいとしか云いようがない。ポリーニの演奏の歴史は完璧の自己解体だというのが、やはり本当なのかも知れない。