大江健三郎のエッセイ集/町田康『実録・外道の条件』

晴。
午前中プール。
大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』(isbn:410112616X)読了。エッセイ集。大江というのは、至極真面目な作家なのだな。小説はあまり読んだことがないが、これはやはり読まねばならぬか。本書で大江のこだわる言葉――「人間存在(ヒューマン・イグジステンス)の破壊されえぬこと(インディストラクティビリティー)への顕現(エピファニー)」(エリアーデ)。どんな人の生でも、この人がこのように生きた、という事実は、破壊できないということ。
なんて言いながら、町田康実録・外道の条件』を読んで涙が出るほど笑う。しかし、「ロックの泥水」や「紐育外道の小島」など、笑わせられながらも凄みすら感じる。ところで、「紐育外道の小島」の頁上のタイトルが、途中から「外道」→「下道」になっているが、誤植風ジョーク?

実録・外道の条件 (角川文庫)

実録・外道の条件 (角川文庫)