青柳いづみこ『グレン・グールド 未来のピアニスト』/町田康『パンク侍、斬られて候』

晴。「3pigs」にて昼食。
青柳いづみこグレン・グールド 未来のピアニスト』読了。日録に書く。

グレン・グールド―未来のピアニスト

グレン・グールド―未来のピアニスト

本書にはグールドのライブ録音の話がたくさん出てくるので、正規盤でリリースされている、バッハの協奏曲第一番(1957年のレニングラードにおけるライブ録音)を聴いてみた。確かに自然な感情の発露によって展開されていて、作為的でないといえばいえる。一方で、スタジオ録音盤ほどコンセプチュアルでなく、普通の演奏ともいえるだろう。しかし音は美しく、終楽章など中間部は魔術的なまでに神々しい。やはり大変な名演である。
 比較にリヒテルの1954年のチェコ・フィルとの録音を聴いてみたが、こちらも凄い。グールドの方が輝かしい感じだが、リヒテルは常識的な解釈をしつつ、ロシア的な深みを垣間見せるところが数々ある。甲乙はつけがたい。

ライヴ・イン・レニングラード1957

ライヴ・イン・レニングラード1957


町田康パンク侍、斬られて候』読了。これは…。笑えるだけじゃない。例えば、大江健三郎より凄いのでは。ドストエフスキーが同時代人だったとしたら、ビビるかも知れないし。心底驚いた。
パンク侍、斬られて候 (角川文庫)

パンク侍、斬られて候 (角川文庫)