中沢新一&河合俊雄『ジオサイコロジー』

晴。
昨晩寝る前に、ワクチン接種の副反応か、ちょっとしんどかった。今朝はそんなことはないな。
 
今年もウチの夏みかんで自家製マーマレード作り。わたしの役目はたいしたことないんですけどね。これがうまいんです。朝食が楽しみ。
 
 
昼から珈琲工房ひぐち北一色店。
『李良枝セレクション』(2022)を読み始める。冒頭の短篇「由熙(ユヒ)」を読んだが、これが魅力的な小説で惹きつけられた。韓国人と、日本人と変わらなく育ってきた在日韓国人とのコミュニケーションとディスコミュニケーションの話、なんていってしまうと、全然おもしろそうじゃないよね。少しずつ話が明らかになってくるところ、また少女小説的な(?)魅力(わたしの偏見?)もあって、どんどん先が読みたくなった。芥川賞受賞作らしいが、そのことは全然知らず、いま検索して初めて知った。李良枝はイ・ヤンジと読むらしい。在日韓国人二世で、日本に帰化し、日本名は田中淑枝。1955-1992、享年37。

 
時雨れる。帰りにマックスバリュへ寄る。
 
 
本日発売の中沢新一&河合俊雄『ジオサイコロジー』(副題「聖地の層構造とこころの古層」)落掌、中沢さんの講演録である第一部を読み終える。

そこには言語の力も入り込んでいない。主体と客体がつくり上げる構造はないし、対象を生み出す意識もない。それから、主体(エゴ)というものをつくり上げるために人間のこころの中に刻み込まれる、あのトラウマというものができない。こころの深層――わかりやすいように、とりあえず「こころの深層」と言っておきます――には、トラウマがないんです。象徴的構造が入り込んでこない。あるいは、象徴的構造の大本になっている運動が(象徴という制限された貧しい形態に)展開されてくるその前の状態というものがある、という考え方です。(p.47-48)

 
夜。
中沢新一&河合俊雄『ジオサイコロジー』読了。第二部は臨床心理学者・河合俊雄さんによる中沢新一『アースダイバー 神社編』の読解講演。第三部は、第二部に感銘を受けた中沢さんによる提案で、第二部を中沢さんのコメント付きで繰り返すというもの。どれもめっちゃおもしろかったが、わたしにいえることは少ない。最後の質疑応答にもちょっとだけあるが、この深い深い「知恵」を、我々凡人がどう受け取って生きていくかということ。わたしは、自分のような凡人がとっても大切だと思っている。結局、生きているのは我々凡人なのだ。本書はそのうち再読すると思う。