南河内家族旅行(第一日)

出発までまだ時間があるので、音楽を聴く。外はいまは晴れているのだが。

ベートーヴェン弦楽四重奏曲第二番 op.18-2 で、演奏はアタッカ四重奏団。技術がちょっと気になるところもあるが(気のせい?)、これに限って言えばいい演奏。曲のフレッシュさがよく出ている。

モーツァルトのピアノ協奏曲第二十七番 K.595 で、ピアノはルドルフ・ゼルキン、指揮はユージン・オーマンディオーマンディの指揮が化粧じみているのはわかるが、ゼルキンもそれにお付き合いしているのは解せない。二人ともこの曲の演奏としては趣味がよくない。

仏像の御開帳に合わせて、南河内へ小観光してきました。ということで日程は代えられないので、天気が悪くなるという予報ながら、朝8:28出発、東海北陸道各務原ICから名神へ入り、ひたすら西へ。まだ天気は悪くない。多賀SAで休憩し、アツアツの豚まんを食す。京滋バイパスに入ってからは土地勘がなく、ひたすらカーナビ頼みでよくわからないうちに近畿自動車道を経由、美原北ICで高速を下りる。目的地は河内長野観心寺で、到着直前に雨がポツポツ来だした。11:51着、自宅から209.6km。何だかかなり山の中という感じのお寺なのだが、今日明日が国宝・如意輪観音の年に一度の御開帳ということで、人はかなり出ていた。観音さんは柔和なお顔のよろしきもので、立膝をされているのがめずらしい。解説(?)をされたお坊さんの話だと昔も今もかなり現世利益に傾斜した信仰形態のようである。寺の創建は飛鳥時代後期という古いもので(金堂が国宝)、真言宗と関わりが深いらしい。また、南北朝時代楠木正成とも関係が深く、寺域には正成首塚や正成が三重の塔を建立しようとして、一重で頓挫してしまった「建掛塔(たてかけのとう)」がある。それから、霊宝館には飛鳥仏と思われる小さな仏像が何故かあって、これはよろしかった。天気もここでは何とかもってくれました。


昼食は河内長野麺坊蕎麦博にて天ざる蕎麦。ここは前もって調べておいたところだが、天ぷらはベチャベチャだし蕎麦は香りもまったくしないくにゃっとしたヒドいもので、店内が満員なのが信じられないくらいだった。食べログ3.2 でここまでヒドいのはめずらしい。やはり関西では蕎麦はレヴェルが低いのだろうかと邪推してしまった。でも前回の奈良県ではすばらしいところがあったしなあ。でもまあ、すべて下調べどおりいくものでもなし、それはそれでよしとする。
少し離れた金剛寺へ。雨が強くなってきたので傘を差しながらの参詣であったが、雨で却って風情が出たようないいところだった。ここには重文の「日月山水図」屏風と大日如来坐像その他を有しているのだが、屏風はレプリカ、仏像は京都国立博物館にあって、いずれも実物が見られなかったのは残念だった。仏像は金堂の修復が終わってから戻ってくるそうであるが。しかしまあ、雨の寺域は本当に風情があったので悪い印象はないのである。それからどうでもいいが、僕の参拝をガイドの人がホメて(?)下すったのだが、どういうわけだか我々にはまったく意味不明だった。あとで「何だろう」と皆んなで不思議がったことでした。


まだ時間があるので、お茶でも飲もうかと「道の駅かなん」へ行ってみるも、ショボい道の駅で喫茶コーナーなどはなし。しばらく車でぐるぐる廻ってみるも、東海地方でもなしすぐに喫茶店などはなくて、もう宿へ行くことにする。宿は小山の上の「かんぽの宿富田林」で、16:04着、今日の走行距離は243.6km。ここは眺望はすばらしい。我々にはさほど廉価なプランでもなかったのだが、夕食ははっきり言ってたいした味ではなかった。見た目を豪華っぽくして、料理長の舌の悪さを誤魔化そうとした感じ。でも、こういうことは観光旅行ではよくあること。宿泊客は結構いましたよ。