家族で根尾へ/五十嵐太郎『日本建築入門』

休日(みどりの日)。晴。
音楽を聴く。■モーツァルト:ピアノ協奏曲第九番 K.271(ペライア参照)。気合の入った曲。傑作揃いのモーツァルトのピアノ協奏曲の中でも特筆すべきだ。■ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第二十二番 op.54 (リヒテル参照)。1960/10/19 Live. ■カルクブレンナー:ピアノ幻想曲 op.60、七重奏曲 op.132 (リノス・アンサンブル、アイクホルスト参照)。あくまでも自分にとってなのだろうが、じつにおもしろい。新鮮さ感がある。マジでもっと聴いた方がいいような気がする。

ウチの家族と妹一家で、今日は根尾(本巣市)へ行ってきました。根尾は美濃の山奥で、いわゆる「淡墨桜」で知っておられる方も居るかも知れない。まずは甥っ子たちに、「根尾谷断層」を見せてやろうというのである。根尾谷断層とは、明治24年の濃尾地震で動いた断層で、濃尾地震は内陸性の地震としては日本で過去最大級(M8.0)の地震であった(って知っておられました?)。根尾には「断層観察館」というのがあって、じつは家族でかつて訪れたことがあるのだが(日記)、そこへまた行こうというのだった。
 で、午前9時半過ぎに出発。義弟の運転なので僕はラクチン、カーナビの指示どおりに行くわけだが、今はきれいな道が至るところにできていて、驚くほどスムーズに行けてしまう。根尾まで1時間かからなかった。新緑は目に痛いほどきれい。
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根尾谷断層は上下 6m のずれのある、大きなもの。しかしあたりはのんびりとした田舎で、(なぜか)山羊やアマガエルがいたりする。連休のせいもあろう、断層観察館は駐車場がほぼいっぱいで、何となく納得。先日の熊本の地震のせいもあるとのこと。ここでは各種資料の外、ビデオ映像(半分は本巣市の宣伝で、バカバカしかった)や地震計があったりするが、独特なのは実際に断層を深く掘って、地中のようすを剥き出しにしているところだ。これは2度めでも結構ホーと思った。意外とおもしろかったですね。
 そこからさらにしばらく北上して、「うすずみ温泉」へ。根尾の「道の駅」と同じところにある温泉である。駐車場は満杯で、こんな田舎へよくもと(自分たちも同類ながら)思う。まず、温泉施設内で食事だが、ちょうど昼時で待っている人の数が半端でない。で、となりの休憩どころみたいな場所で、別メニューで食事をする。味はまあ云わぬが花でしょう。
 温泉は入浴料が思ったより高かったですね(大人850円)。入っている人の数ももちろん多かった。男性の湯はちょっとぬるめで、また湯の深さが浅いので、中学生でも肩が出てしまうくらい(女性の湯は全然ちがうそうです)。しかし、泉質はいわゆる肌がつるつるになるっぽい、つまりはアルカリ性泉質で、塩化ナトリウム(つまり塩)が入っているものであり、これはなかなかよかったですね。とても天気がよくて、露天風呂が気持ちよかった。
 帰りはついでに、その「淡墨桜」を見に立ち寄った。もちろん桜の季節ではなく、広い駐車場もガラガラだったが、人の少ない、若葉の芽吹いた淡墨桜も正直言って悪くなかった。昔は野の中にぽつんとあって、地元の人たちが見るだけだったそうである。樹齢は1500年とも。満足して帰途につきました。
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五十嵐太郎『日本建築入門』読了。なかなかおもしろかった。著者は優秀な人なので、これからも手に入りやすいエディションで出れば、著者の本は読むことになると思う。
 以下は蛇足である。僕は僕なりに建築というものを重要だと考えるのだが、それはこういうことである。音楽を聴かず、絵画を観ないで生きていくことはまったく簡単なことである。しかし、建築を見ないで済ますことはできない。我々はそもそも建築の中に住むのであるし、外へ出れば必ず何らかの建築が目に入らざるを得ないのだ。その観点から見ると、自分が最近非常に気になるものとして、いわゆる住宅メーカー製の、今風の住宅がある。積水ハウスだとかトヨタホームだとか、その類の国籍不明の住宅である。自分の家の近所でも、新築の家はすべてこれだ。この田舎に、「リゾート風」(!)の住宅すら立ち始めているのだ。こうしたのを論じた建築論というのは、いったいあるのだろうか。あれば、ちょっと興味があるのだが。

日本建築入門 (ちくま新書)

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独習初心者プログラマのための覚書き。一、とにかくコードを書く。二、プログラミング本を読む。三、他人のコードを読む。←この繰り返し。