町田康『おっさんは世界の奴隷か』/高良倉吉『琉球の時代』

晴。
散髪。
町田康『おっさんは世界の奴隷か』読了。天才・町田康の「テースト・オブ・苦虫」第六弾。もうほとんどマンネリであるが、マンネリでも笑える。「輪を持って尊しと茄子」とか、よくくだらんことを思いつくな。

高良倉吉『琉球の時代』読了。うーん、これは素晴らしい本だ。歴史書であるが、沖縄通史ではない。主として琉球王国の話である。地理的に考えれば当然のことであるが、琉球はかつて、日本本土から朝鮮、中国と、東南アジア各地との交易で栄えたのであった。中国の冊封体制の中では、中国ともっとも関係の深い国だったと言ってよいのだと思う。今でもわかることだが、特徴ある独自の文化をもったのであり、しかし首里城など、形あるものの多くはあの凄惨な沖縄戦で失われてしまった。歴史上、日本本土(ヤマト)は、琉球=沖縄に碌なことをしていない。そういうことを本書は愚痴るのではなく、誇るべき琉球の歴史を語っている。