高木敏雄『日本伝説集』

晴。いまだ暑い。
コメダ珈琲岐阜駅東店にて昼食。カツサンド750円+アイスコーヒー380円。カツサンドはジューシーで量もたっぷり。満足。

高木敏雄『日本伝説集』読了。新聞紙上にて募集された、民間伝承の記録を著者がまとめたもの。『遠野物語』の二年後に出版されたという。
こういう民間伝承は、今では殆ど無くなってしまったものだ。自分も祖父母などから聞いた憶えはまったくない。場所の記憶を感じとる能力も、さほどなくなっているだろう。それでも、自宅近所にてそのような特異な場所を考えてみると、各務原市那加の手力雄神社の鎮守の森などは、かろうじてそうかも知れない。ここには確かに磐座(いわくら)があり、神的な雰囲気をもっている。だから、神社以前の、横穴式の石室がふたつ存在しているのも、偶然ではないであろう。しかしここですら、鎮守の森の裏側の場所がいまでは切り払われ、無残にも建設業者のアパートに替っているのであり、アニミズム的な感性に対して否を突きつけているのである。

日本伝説集 (ちくま学芸文庫)

日本伝説集 (ちくま学芸文庫)