晴。
『久生十蘭 ジュラネスク』読了。さすがは十蘭、凝りに凝った短編集だ。すべて初めて読むが、このようなスタイリストが現在いるか、という思いに捉われざるを得ない。キラリと光る、むずかしい漢語の使用も独特だ。思えば、漢籍に通じなくなったのが、我々の散文を貧しくしているのは疑いない。それから、文章に凝りに凝ってはいるが、確実にあるユーモアの利きも指摘しておこう。なかなか今、十蘭に接しにくいから、十蘭はもっと文庫にしてもいいでしょう。
- 作者: 久生十蘭
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2010/06/04
- メディア: 文庫
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