石牟礼道子『煤の中のマリア』 / 神坂次郎『今日われ生きてあり』

昧爽起床。

一時間ほどぼーっとする。

NML で音楽を聴く。■バッハのソナタ ニ短調 BWV964 で、ピアノは野平一郎(NMLCD)。■バッハの「ゴルトベルク変奏曲」 BWV988 で、ピアノは野平一郎(NML)。はー、やっと聴いた。しんどくて仮死状態。しかし、よくもこんなピアニストが日本にいるな。レコード会社は、野平さんが望むものは全部録音させるとよいと思うよ。早く平均律クラヴィーア曲集の録音が NML に入らないかな。

野平一郎 バッハ:ゴールドベルク変奏曲BWV988

野平一郎 バッハ:ゴールドベルク変奏曲BWV988

 
晴。
シューベルトの「音楽に寄せて」、「春に」、「憂い」、「ガニュメート」、「緑の中の歌」、「糸を紡ぐグレートヒェン」で、ソプラノはエリーザベト・シュヴァルツコップ、ピアノはエトヴィン・フィッシャー(NML)。シュヴァルツコップはもちろんだけれど、フィッシャーの伴奏がいい。

シューマン弦楽四重奏曲第二番 op.41-2 で、演奏はクイケン四重奏団NMLMP3 DL)。

散髪。さっぱりした。

山本太郎の過去の「放射能デマ」を知りつつ前回の参議院議員選挙でれいわ新選組に投票した悪辣なわたくしであるが、山本太郎、今度は「子宮頸癌ワクチンデマ」ですか。ホントにデマ耐性のない人だなあ。反自民旧民主党系にも維新にも(たんなる自民補完勢力の公明とか論外)とても投票する気の起きないわたしは、今度はどこに投票したらよいのだ。さらに悪辣になってまたれいわ新選組…? うーむ…。
 でも、子宮頸癌ワクチンについては日本のマスコミのほとんどがデマを流していて、厚生労働省も諦めちゃった(参照)のだよなあ。一官僚の諦念と内なる怒りに満ちた吐き出すようなインタビューを読んだことがある。そして、村中璃子さんが奮闘しているけれど、名誉毀損裁判で敗訴するという衝撃的な結果になった。どうなっているのだろうね、この国は。
 なお、厚生労働省はいまでも子宮頸癌ワクチンの接種を推奨しています。ウェブサイトは簡単に検索で見つけられるので、厚生労働省がデマの発信源であるというのはそれもデマです。


ミスタードーナツ イオンモール各務原ショップ。ポン・デ・リングボール+エンゼルクリームボール+ブレンドコーヒー351円。図書館から借りてきた、石牟礼道子『煤の中のマリア』読了。「島原・椎葉・不知火紀行」と副題にあるけれど、組織的な(?)紀行文というわけではない。そして、いつもの石牟礼さんの文章と同じく、原初的「幻視」の文である。わたしは共感するところが多かった。その感受性もまた、石牟礼さんによって多く耕されたものにちがいない。これを読んで恥じ入るか、憧憬しない田舎者は、よほどの幸福者でなければ、田舎者である意味が少ないと思う。嘆いても仕方ないことだが、その田舎こそがどんどん壊れていて、田舎もまた人工物の世界になりつつある。それを石牟礼さんは何度も確認する。もしかしたら田舎の崩壊、人間の消滅こそ、福音でないと誰にいえるだろう。って、わたしはほとんど偽善的なことを言っていないか?

 
イオンモール未来屋書店にて岩波新書新刊を二冊買う。


神坂次郎『今日われ生きてあり』読了。わたしは家族旅行で鹿児島県を訪れた折、知覧に立ち寄ったことがある。記念館を訪問し、語り部の話も聞いたが、恥ずかしながら中身ははっきりとは覚えていない。展示もつらいものなので、なかなか直視ができなかった。本書も涙なくしては読めない、大変につらい内容だった。それにしても、戦後になると特攻というものがバカにされていたというのは驚いた。また、軍上層部にとってはあってはならない存在だったので、彼らの保身のために戦後直ちに資料が破却されたというのにも驚いた。戦争で死ぬのは少なからずが若い人たちである、本書はそのことをしたたかに教えてくれる。そして、一方で、兵士をコマのひとつとして使い捨てる人たちもいる。そういう人たちこそが、本書を「戦争賛美の書」などと呼ぶのかも知れない、わたしは知らないが。

今日われ生きてあり (新潮文庫)

今日われ生きてあり (新潮文庫)