辻陽『日本の地方議会』

休日(体育の日)。雨。
早起き。

NML で音楽を聴く。■ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第七番 op.10-3 で、ピアノはスティーヴン・コヴァセヴィチ(NMLCD)。■マーラー交響曲第九番で、指揮はエリアフ・インバル東京都交響楽団NML)。

マーラー:交響曲第9番

マーラー:交響曲第9番

■バッハの「二声のインヴェンション」 BWV772-786 で、ピアノは野平一郎(NML)。野平さんは天才だな。
野平一郎 JSバッハ インベンショウンとシンフォニア

野平一郎 JSバッハ インベンショウンとシンフォニア

  • アーティスト: 野平一郎,ヨハン・セバッシャン・バッハ,野平一郎ピアノ
  • 出版社/メーカー: ナミレコード
  • 発売日: 2017/10/25
  • メディア: CD
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辻陽『日本の地方議会』読了。かなりおもしろかった。わたしの住んでいるのは岐阜県各務原市で、人口(確か)13万人くらいの中規模の地方自治体である。議会に関してはほぼ「体制翼賛」であり、何人かの「反体制」議員(共産党議員など)がいるという印象だ。本書の記述で、地方議会はどうしても、首長に敵対的であれば「抵抗勢力」、逆に親和的であれば「追認機関」と呼ばれてしまうことを知った。これは、首長に比べ、地方議会の権限が限られていることによるらしい。読んでみての漠然とした感想になるが、地方議会の議員をまじめにやるというのは、ホントに大変なのだなと思った。国会議員に比べたら遥かに地味な存在ではあるが、その大変さは国会議員におさおさ劣るとも思えない。わたしはどうしても中小規模の地方自治体を念頭において読んでしまったが、かかる自治体の議員は給与も多くなく、それゆえ議員のなり手がきわめて少ないというところも稀ではないそうである。わたしは知らなかったが、日本では GDP に対する寄与の割合で、国家の貢献よりも地方自治体の貢献の方が三倍も多いほど、地方自治体の役割というものは大きい。確かに一部の経済学者の主張するとおり、経済学的には人口を都市部に集中させ、地方は「廃棄する」というのが効率的なのかも知れないが、わたしはそれは本末転倒な考え方だと思う。地方自治に関しては、これからもできれば忘れずにいきたい。

中小の自治体では、「議員に高給払うのはムダ」→「議員定数と議員報酬の削減」→「議員がさらに活動できなくなる」→「議員に高給払うのはムダ」というスパイラルに陥っているとの診断がある。議員報酬など地方予算の中では大した額ではないので、むしろ議員報酬を上げるなど、議員の活動をより高める方がよいという意見には、一定の合理性があるようにも思った。でもこれ、住民にはなかなか受け入れられない意見なのはまちがいない。