ブレイディみかこ&松尾匡&北田暁大『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』

日曜日(山の日)。晴。
昧爽起床。

NML で音楽を聴く。■モーツァルト交響曲第三十五番 K.385 で、指揮はジョン・エリオット・ガーディナー、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ(NMLCD)。■シューベルトピアノ五重奏曲イ長調「ます」 D667 で、ピアノはゾルターン・コチシュ、タカーチ四重奏団(NML)。

Piano Quintet in a

Piano Quintet in a

細川俊夫の「開花」、「花の妖精」、「書(カリグラフィー)」で、演奏はアルディッティ弦楽四重奏団NML)。
細川俊夫 : 弦楽四重奏作品集 (Silent Flowers ~ Toshio Hosokawa : string quartets/ Arditti Quartet) [輸入盤]

細川俊夫 : 弦楽四重奏作品集 (Silent Flowers ~ Toshio Hosokawa : string quartets/ Arditti Quartet) [輸入盤]

スクリャービンの「五つの前奏曲」 op.15 で、ピアノはジュディット・ハウレギNMLMP3 DL)。

朝寝。

図書館から借りてきた、ブレイディみかこ松尾匡北田暁大『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』読了。副題「レフト3.0の政治経済学」。話題になった本で、期待どおりおもしろかった。いまやリフレ派も「国民の分断をあおる」という批判でまさに自分が国民の分断をあおっている論者が大きな顔をしていたり、せせこましい運動に成り下がったが、本書は骨太の主張でゆるやかな連帯を思い出させるよい出来になっていると思える。まあそれでも批判する人は批判するのだが、わたし(もちろんただの素人の一般人)はまっとうな主張がなされていると判断する。また、鼎談の三者の役割が絶妙だ。特に我々には、非学者代表で、イギリスの庶民感覚を教えてくれるブレイディみかこさんの存在が頼もしい。つまるところ左派たる三人の主張は、とにかく「ご飯を食べること」が重要なのだ、それを忘れた左派に未来はないということに尽きると思う。これはまさに、そのことを忘れた日本の「左派」に対する手厳しい批判になっている。
 個人的には、本書の最後の方で「左派ポピュリズム」の重要性が強調されているところが我が意を得た。わたしは先の参議院選のれいわ新選組はまさしく「左派ポピュリズム」として機能したと思う。山本太郎さんは、そのことを忘れずにやってもらいたいものだと思う。それから、北田暁大さんの本は前から読んできたが、あらためてこの人は興味深いなと思った。とても優秀な社会学者で書くものは正直言ってわたしの能力を超えているのだが、学者・北田さんもそうだけれど、むしろわたしには人間・北田さんに興味がある。特に貧しい出自というわけでもない、東大出のバリバリのエリート学者であるのに、(よい意味で)どうしてこうなった(笑)。北田さんはわたしより少しだけ年下であるが、(わたしとはちがって)大学できっちりと学ばれたことがよくわかる。それでいて知情のバランスがとてもよい。ただ、書かれるものはわたしには難解になってしまうので、あれは戦略なのか、自然なのか、レヴェルを落として不正確になるのをきらっておられるのか。いや、もっと勉強しないといけないですね、我々は。

 

もっぱら技術的興味から、Lubuntu 19.04 に古い Linux カーネルをインストールしてみる。将来カーネルのダウングレードが必要になるかも知れないので。