アレクサンドル・カントロフというピアニストを聴いてみる / 大岡信『光のくだもの』

曇。わずかに青空が見える。
巨大な古い木造アパートに LANケーブルを敷設する夢を見る。
 
Cristian Măcelaru conducts Chopin and Prokoviev - ARTE Concert | YouTube
ショパンのピアノ協奏曲第二番 op.21 で、ピアノはアレクサンドル・カントロフ、指揮はクリスティアン・マチェラル、フランス国立管弦楽団。2024.5.16 のライブ録音。アレクサンドル・カントロフは知らないが、某所で「100年に一人の逸材」「天才」と煽ってあったので、聴いてみた。まずはクリスタル・カットのピアノの美しい響きが印象的。感情の深さみたいなのは足りない感じで、一曲聴いてキラキラばかりが残る演奏だった。確かにキラキラは美しいんだよね、それですべて聴いてしまったわけだが、結局ショパンを聴いたのか、何だかよくわからない感じも。確かに才能は感じる、それ以上はこれだけではよくわからない。まだ27歳と若いから、音楽ビジネスにスポイルされてしまわないといいけれど。
 
NML でアレクサンドル・カントロフのピアノによる、ブラームスのラプソディ第一番 op.79-1 とピアノ・ソナタ第二番 op.2 のそれぞれ冒頭を聴いてみたのだが(NML)、わたしとしてはちょっと聴けない。技術や音響はじつに見事だが、何より音楽性がブラームスに届いていない。これではさすがに聴けない。繰り返すけれど、音響の塊としては見事。2020年の録音で、当時ピアニストはまだ23歳、いかに才能があろうと、これから勉強することがまだまだたくさんある。
 
YouTube でアレクサンドル・カントロフブラームス(ピアノ協奏曲第二番、YouTube、欠損あり)やシューマン(ピアノ・ソナタ第一番、YouTube)やシューベルトさすらい人幻想曲YouTube)の冒頭をちょっとずつ聴いてみて、だいぶわかったような。まだまだ感情的に子供(?)というか、底が浅くて、これからのピアニストということ。技術は充分。
 

 
昼寝。
 
珈琲工房ひぐち北一色店。ひさしぶりだととりわけおいしいな、ここのコーヒーは。
 図書館から借りてきた、大岡信『光のくだもの』(1992)読了。承前。平明で上質な文章で綴られた、親しみやすいエッセイ集。古典的文学に通暁し、自在的確に引用しながら、少しも偉ぶるところがない。大岡さんは、何でもっと文庫本にでもならないのかな。
 愛猫を亡くす話とか、わたしはこういうの、弱すぎるな。犬を亡くした漱石の句「秋風の聞こえぬ土に埋めてやりぬ」を読んだだけで、もういけない、涙がぶわっと出てくる。
 もっと大岡さんを読んでみたいと思ったことである。本書には武満さんとの交流は書かれていないので、そのあたりも読んでみたい。

 
帰りに肉屋。豚ロース肉×2 を30日までの賞味期限でといわれたのだが、よく考えたら先すぎるだろう。
 
夜。
Daisy Holiday! 細野晴臣 高橋幸宏さん 2021年5月23日 近況や昔話に花が咲きます。 - YouTube
幸宏さんが転んで顎を縫った話とか、幸宏さんの釣りの話とかしてる。元気ないなあ。細野さん、無意識に気をつかってるね。
 
細野晴臣「HoSoNoVaコンサート」2011年5月1日@日比谷公会堂 - YouTube
93分。