川端康雄『葉蘭をめぐる冒険』

晴。
 
ごろごろ。
 
昼から「ひぐち」へ行くも、休みだった。
風花飛ぶ。
 
 
図書館から借りてきた、川端康雄『葉蘭をめぐる冒険』読了。終わりの三分の一くらいを読んだ。わたしの能力ではこの静かな本についてうまく書くことはできないのだが、好ましい本だった。今日読んだところでは、クリスティーナ・ロセッティの詩について書かれていたものがまずよかった。クリスティーナはラファエル前派の画家・詩人として知られているダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの妹で、地味な存在であるがゆえに死後忘れられていたが、1960年あたりから再評価され、フェミニズム的な読解もされているそうである。本書で翻訳で読んでみても、地味ということはむしろ実があるということで、普遍性を感じる。原詩は美しい韻律をもっているということで、本来なら原文で読むべきだろうが、怠惰なわたしはそこまでしないかも知れない。なお、意外といえばそうだが、岩波文庫に『クリスチナ・ロセッティ詩抄』というのが入っているらしい。入江直祐訳。
 川端さんにとってオーウェルはライフワークのような趣きで、オーウェル関連の文章はどれも感銘をもって読んだ。
 川端さんの英文学の師である小野二郎氏についての文章は、知らないことばかりだった。小野二郎氏は、英文学者というだけでなく、同時代の(日本)文化への積極的な貢献があるようだ。平凡社ライブラリーに『小野二郎セレクション』が入っている。この本については覚えがあるなと思って書架を調べたら、ちゃんと既読書のところにありました。さすが過去のオレといいたいところだが、いつものごとく中身は何にも覚えていないので、エラそうなことはいえない。

 
 
夜。
ゲーテの『イタリア紀行』の続き。ゲーテという人には、天性の素直さ、気持ちのよさがあるな。