松浦寿輝『黄昏客思』

晴。
音楽を聴く。■バッハ:フランス組曲第六番 BWV817(シフ、参照)。■モーツァルト:ピアノ協奏曲第二十二番 K.482 (内田光子、テイト、参照)。■シューマン:序曲「ユリウス・カエサル」op.128、交響曲第二番 op. 61 (ショルティ参照)。交響曲第二番がちょっとわかってきた。こんないい曲だったのか。シューマン交響曲は地味だと思ってきたが、どれも気に入ってきた。第三番はずっと好きだけれど。

図書館から借りてきた、松浦寿輝『黄昏客思』読了。何だか松浦寿輝にはいつも文句ばかり言っているが、本書も色いろ貶したいけれども、結局自分は松浦寿輝が好きなのだろうと思う。読んでいて恥ずかしさに身悶えしながら、感嘆を抑えきれない。その世界の豊饒さは疑えないのだ。ただ、著者のような人すら、知らぬ間に管理されていくというのが、いま現実に進行している事態である。誰が誰を管理するのか、なぜ管理するのかも誰にもわからないまま、事態だけが進行していく。そんなことは自分には関係ないと云っても、許されるものではない。自分がこの時代を息苦しく思い、あまり好きでもないのは、そこが理由である。天下から離れた文人墨客、そうした存在が許される世界が、将来回復されることがあるのだろうか。
 つまらないことを書いた。この人は詩人であるが、その詩はよく知らないので何も言えないけれど、散文家としてとても魅力があると感じられる。その頭のよさも折り紙つきだ。人文系のほぼあらゆることに通じておられるのではないか。確かに滅多にいない人である。それにしても、なぜか市の図書館に入るのだよね。ちょっと不思議な気がする。

黄昏客思

黄昏客思


今日は冬至なので、ウチの風呂が柚子湯だった。中に入ると柚子の香りが高くて驚いた。先日道の駅で、一袋100円で買ってきたものなのだが、これまでで一番の香り。不思議なものである。