太田浩一『物理学者のいた街― 哲学者たり、理学者たり』

曇。
図書館から借りてきた、太田浩一『物理学者のいた街― 哲学者たり、理学者たり』読了。太田先生の見事な電磁気学の教科書は、学術上の発見について、発見者に関する通説がいかに間違っているかを沢山指摘した、恐るべき本であるが、本書はその副産物のようなものである。物理学者たちの足跡を尋ねながら、西欧やアメリカを歩きまわり、歴史的な背景も交えながら、物理学者の小伝を綴っている。文学や音楽の話も多く、背後の厖大な知識・教養を感じさせる本だ。ただ、固有名詞が錯綜していて、自分にはちょっと読みにくかったが、これはこちらが悪いのだろう。とにかく、知らない話がほとんどだった。

哲学者たり、理学者たり (物理学者のいた街)

哲学者たり、理学者たり (物理学者のいた街)


どうも、うまく書けなくなった。変な文体になるかも知れないが、御海容を。

本当にどうでもいいことなのだが、猪瀬知事の「借用証」(借用書ではないらしい(笑)。正式には「借用証書」)がじつに不可思議なものなので、ちょっと調べてみた。まず、借金の契約は口頭でも成立するので、借用書がなくても違法ではないらしい(でもまあ、普通はそのようなことは通用しないよね)。後から証明できるなら、メモのようなものでもいい。また、貸した側の署名・捺印は、普通でもないことが多いし、借りた側(今回では猪瀬)の拇印・捺印も、なくても違法ではない(しかしこれも、普通なら通用しない)。¥のマークがなかったり、「5000万円」などという書き方(笑)も、普通はしない。ただ、完全に違法なのは、この場合では2万円の収入印紙を借用書に貼らないといけない。猪瀬の場合は貼っていないので、間違いなく印紙税法違反だが、これはまあ、普通は逮捕されるほどのことではないけれど。
 色々考慮してみると、これはあまりにもやり方が稚拙なので、猪瀬がたぶん自分ひとりで、ワードか何かで自作したものではないか。知識がある者なら、ここまで杜撰なことはしないと思う。それから、借用書を猪瀬が持っているのは、金を返せば借用書も返ってくるので、話が合わないことはない。以上からわかるのは、借用書を偽造するのは簡単だということだ。まったくどうでもいいことですが。そうそう、猪瀬の「借用証」は、折り目がないらしい(笑)。折らずに封筒に入っていたそうで、その封筒はないのだと(笑)。どんどん泥沼に嵌り込んでいくな。もう、諦めたらいいのに。どうでもいいですが。
※追記 なお、「借用証」に徳洲会側のサインがあって、それを猪瀬が偽造したとなると、これは文書偽造罪になるらしい。猪瀬はそれは知っていたのだろうな。今回の場合は、その罪には当たらない。法律って、不思議なものだなあ。しかし、自分の無知には驚く。ホント、中年のおっさんとは思えない、世間知のなさだな。勉強になります。

特定秘密保護法が成立。あれよあれよという間のことだった。僕は選挙で自民党に投票したことはないが、それにしても、今の自民党の代議士のレヴェルの低さといったら、昔とは比較にならない。何を考えているのか。これが本当に国のためになると考えてやっているのだな。法の成立もそうだが、今の政治家のレヴェルの恐ろしい低さに愕然とせざるを得ない。自分たちが何をやったか、まったく気づいていないのだろう。また、我々国民のレヴェルの低さも、同時に証明されたことになる。小沢一郎の言だが、国民のレヴェルを超えた政治家は出ない。我々の自業自得である。