山村修『気晴らしの発見』/佐高信、佐藤優『世界と闘う「読書術」』

曇。のち晴。時雨れる。
音楽を聴く。■武満徹:遠い呼び声の彼方へ!、閉じた眼、神秘、ノヴェンバー・ステップス、弦楽のためのレクイエム(若杉弘)。武満の音楽は、西欧の伝統的な調性構造から切れている。そこのところが、とても自由で新鮮な感じがする。これまでもかなり武満を聴いてきたと思うが、もっと武満を自分のものにするべきなことが、わかってしまった。まだまだ自分は、武満を分析的には聴けないが、その分これからの楽しみが大きいことである。


山村修『気晴らしの発見』読了。著者はもちろん、「狐」のペンネームで知られた書評家であり、本書は本名で書いている。内容は自らの不眠体験を綴ったもので、何ということはないのであるが、文章が読ませる。それこそ「気晴らし」にいい本。著者は既に亡くなっているのだな。知らなかった。
気晴らしの発見 (新潮文庫)

気晴らしの発見 (新潮文庫)

佐高信佐藤優の対談集『世界と闘う「読書術」 思想を鍛える一〇〇〇冊』読了。対談による読書案内。自分のよく知らない分野の本が多いので、参考になった。二人とも、発想も自分とはまったくちがう。しかし、政治の分野など、一般人はどこまでやるべきなのかは、悩むところである。確かに、知識はあった方がよい。けれども、市井の人間が政治や経済のことなど考えずに済む社会が、いちばん理想的なのだと思う。残念ながら、現代はそういう風にはなっていないが。一方で、何も勉強していなくても、堂々と意見だけは誰でも吐けるし、実際にそうなっている。世論調査でも、何も考えていないのに、即答している。こういうのって、どういうものなのだろう。むずかしいものである。
音楽を聴く。■シューマン弦楽四重奏曲第一番op.41-1(ケルビーニSQ)。メリハリのある、いい演奏。
西野カナを聴く。まあまあ。打率三割くらいかな。たいへん既視感というか、既聴感がある。西野カナは初めて聴くのだが、どこかで既に聴いていたような感じ。宇多田ヒカルと誰かしらんとのミックスというか。