徳永恂『社会哲学の復権』/吉田健一訳『訳詩集 葡萄酒の色』

曇。
図書館から借りてきた、徳永恂『社会哲学の復権』読了。

社会哲学の復権 (講談社学術文庫)

社会哲学の復権 (講談社学術文庫)


個人的に愉快でない状況だが、取り敢えずやれることをやろう。一生修行。
最近つくづく思うが、真面目に一生懸命やっていればわかってもらえるとか、そういう時代ではないですよ、今は。そういう期待を持つと、報われればいいけれど、そうでないと希望を失いますよ。ではどうすれば、というのは答えるにむずかしいですが。取り敢えず、心持ちはできるだけポジティヴに、というのは云えますね。これも容易ではないですが。

吉田健一訳『訳詩集 葡萄酒の色』読了。先日読んだ『月下の一群』に比べれば、訳詩のレヴェルはどうしても見劣りがしてしまう。が、まあ訳詩集を比較するというのが間違っているのかも知れない。少なくとも、シェイクスピアソネット集からの抜粋はとても魅力的だった。それに、訳詩にせよ、詩を読むということ自体、贅沢なことではないですか。
 富士川義之氏の文庫解説は見事。これを読んだので、幼稚な感想を書かずに済んだ。本書は「名訳」を敢て目指していないのではという指摘は、我が意を得た。それから、どうでもいいことなのだけれど、本書は岩波文庫だが、どうして青帯なんですか。書店で緑帯のところを探して、危うく入荷していないのかと思いましたよ。吉田氏の評論が青帯だからだろうが、別に無理に青帯に入れなくてもいいだろうに。(AM2:30)