曇。
我々は言葉をもっているから、ありとあらゆるものに「名前」を付け、いわば名詞化して、それらは「意味」をもつ。世界中が意味に満ちている。それは根源的な「病」であり、息苦しい。人間の不幸の少なからずは、そこにある。
 生命、生きとし生ける物には、いわば(固定した)「意味」がない。それは「救い」でもあろう。我々はかかる「生命」に固有名を付け、それにはいってみれば、「意味」がないのである。固有名の謎とは、まさにそのことである。
 
NMLで音楽を聴く。■モーツァルトのピアノ・ソナタ第十二番 K.332、第十三番 K.333、第一番 K.279 で、ピアノはフリードリヒ・グルダ(NMLCD)。八十年代前半の録音だが、まさに二十一世紀のためのモーツァルト、というか。