田舎とインターネット大通り

深夜起床。
外はまだ真っ暗で、しかも雨のようだ。起きていつものごとく PC の前に座り、自分のブログ日記や他人の旅行ブログ記事などを見たり見なかったりしながら、長時間ぼーっと過ごす。
 昨日田舎の自然の中で一日過ごしたせいで、いま、本を読んだり音楽を聴いたり、また、(SNS や都会を主とする)インターネット大通りの喧噪に塗れたりする気がまったく起きない。田舎とインターネット大通りを細く繋いでいくこと――それが必要で、しかもあまりなされていないように思う。例えば都会の人の「田舎訪問記」みたいなのはこれはもうたくさんあるのだが、畢竟、「都会の感性」に過ぎない。田舎者が「田舎の感性」で田舎を語る、それが少ないのだと思う。もっとも、現在の田舎は都会の(精神的)植民地に過ぎないから、田舎の人が(よい意味で)「田舎者」であるとは限らない、というか、たぶんよい「田舎者」は、ほとんどインターネットには生息しないのかも知れない。
 都会の感性はいまや世界的に均質化しており、例えば、世界中で同じ音楽が聴かれ、Netflix で同じ映画、ドラマが観られている時代である。田舎がなくなったがゆえに、いわゆる多様性が縮減しているのだ。
 そして、ポストモダンとしての現在――もはや「外部」はない。すべてが「内部」であり、その内部が多く、めちゃめちゃに(一種、病的に)壊れているのが現代である。例えば、axis mundi がきれいに通っていない、そういう「異常さ」が常態化している。つまり、精神、というものがない、壊れている。精神ではなくコンテンツ消費しかない。息苦しい。
 当たり前のことだが、「都会」は概念で構成されており、その概念の数は有限である。つまり、諸概念を組み合わせ、(マネーを始めとする)欲望でドライブ(駆動)してできている、人工体。その「都会」から見える田舎には刺激的なものは何もなく、それはもう極めて退屈に感じられるが(欲望に直接はたらきかけてくる能動性・強制性がない)、じつはそこには「自然の無限」がある。これはまったく紋切り型の認識であるが、真実であるから何度も強調しておかねばならない。「都会」の複雑さは、所詮「有限数の概念の組み合わせ」に過ぎないのである。
 もちろん、都会にダイナミズムがあるのは、マネーの流動性と「人の多さ」ゆえである。人の多さが、ノード間の交流を作る、それが「クリエイティブ」ということだろう。しかし、残念ながら、現代人は心を喪いつつあり、個々人が人間というよりは、ほとんど「記号・概念の塊」になりつつある。その現実は、ダイナミズムを殺し、個々人をサイコパス化してゆく。それはほぼ、心を喪った「個々人のAI化」といえる。我々はもはや、AIと同じく、心のない言葉以上のものを、なにももたなくなりつつある。(06:00)
 

川から上がってきた子供のヌートリア、2.4 自宅にて。
 
中沢さんが「自然とのインターフェイス」ということをいっておられたが……きわめてだいじだな。自然の力能そのものは曖昧な流動体であるから、それと人間がうまく交通(コミュニケート)していくには、文化的なインターフェイスが必要だ。例えば昨日、椿大神社へいったが、神社というのは、日本人が作り上げた、自然とのインターフェイスそのものである。現代でも、田舎に新しいインターフェイスに近いようなものが(弱いながら)萌芽としていろいろ見えつつある、そんな気がするのだが、そのあたりを我々はまだきちんと自覚していない。
 
雨。
朝食を摂ったあと、しばらく二度寝する。短い間に暴力的な夢をいくつか見る。
長時間何もせず寝ころがりながらぼーっとしている。
 

2.23 の散歩中に。
 
昼。
(NHKの「キャッチ!世界のトップニュース」がひさしぶりに放送されたので観た。特集は慶應義塾大学の田中浩一郎教授を招いて、今回のイスラエルとアメリカによるイラン攻撃についてだった。以下、素人のわたしの書くことに何の意味もない。ただ、ちょっと吐き出しておきたいだけである。
 一。イランの全方位的な報復を見ていると、国際社会での孤立をもはや恐れていないようである、と。つまり、わたしが敢ていうなら、自暴自棄、ではないかもしれないが、計算を超えているように見える、ということ。しかし、イランは既に制空権をもっておらず、教授の見立てでは、反撃できてもあと二週間ほどが限度ではないか、という。つまり、現政権は権力をまだ掌握しているが、この先、どうなるかわかない。
 二。トランプが明確なビジョンをもっているように見えないこと。仮にイランの現体制が崩壊したとして、トランプはそれを放置するのではないか。つまり、イランが無政府状態になるか、内戦になるかの可能性があり、それへの対応をアメリカが放擲する、ということ。そうなると、中東が一気に不安定化し、世界の秩序に深刻な影響をもたらす可能性がある。さらにいえば、それは日本にも大きく影響するだろう。
 三。アメリカという世界最強国家が、「法の支配」「国際秩序の安定」を、完全に無視している、ということ。今度の攻撃も、国際法を無視し、嘲弄すらしている。世界は「剥き出しの軍事力」を強化する時代になり、既に例えばフランスは核戦力の強化、核弾頭を増やすことを宣言した。マクロン大統領は、今後50年間は核兵器の時代になるといっている。
 四。安保理事会も含め、国連が完全に無視され、また、交渉を仲介する国さえ、いまのところまったく現れていない。このままどんづまりになって、いまの国際秩序が激変する虞がある。
 五。トランプは中間選挙、ネタニヤフは自身の裁判という、国内問題で始められた戦争だが、少なくともアメリカ国民は、現時点でこのイラン攻撃を、大差で支持していない。ある調査では、戦争賛成が27%、反対が43%であると。トランプの意図どおりではない。
 六。今度の作戦で、米軍がかなり大規模に、初めて戦争に AI を使っていること。個人的に、来るものが来たと、恐怖を感じる。
 さて、わたしの密かな「予感」として、現代は「終わりの始まり」の時代である、というものがあるが、「終わり」は意外と早く来るのかも知れない、そんな気もする。)
正直、これ以上なにも考えたくない。
 

 
夕方までひたすらごろごろうとうとぼーっとする。
昨日いなべの「麺処 はな」で買ってきた手作りクッキーを食う。うん、うまい、老母じゃないが、もっと買ってきてもよかったなー。
 
『綺麗にしてもらえますか。』第8話を観る。やっぱり金目さんの記憶喪失の話は突っ込んでやらないのかも。このまますべて熱海のクリーニング屋さんの日常系で終わってしまってもいいな。何がおもしろいのかよくわからないけど、悪くない。今回などいちおう温泉・水着回なんだけど、落ち着いている。
 
夜。
『幼馴染とはラブコメにならない』第8話を観る。シリアス回終了、結局うやむやか、でもこれでまた元どおり、ではないよね。次回、四人目のヒロイン登場か。
 
『違国日記』第8話を観る。なるほど、朝ちゃんは、ようやく事実を受け入れ始めたんだな。わたしには、そういう体験は、いままでない。深い悲しみ。