筒井康隆&蓮實重彦『笑犬楼vs.偽伯爵』

晴。
 
何もない畑を耕す。
 
図書館から借りてきた、筒井康隆蓮實重彦『笑犬楼vs.偽伯爵』読了。めっちゃおもしろくて一気に読み終えてしまった。第一章は大江健三郎についてのリスペクト溢れる対談。筒井が大江にたいそう敬意を払っているのは知っていたが、蓮實もだとは。蓮實は大江の悪口を結構いってきたと思うのだけれどね(そのことは本書で自分でもいっているが)。わたしも大江の読んでいないやつを、読まないととは最近よく思う。
 第二章はそれぞれによる相手の本の書評。筒井のを読んで、『伯爵夫人』を読まないとなって思った。それから、蓮實のは『時をかける少女』についてで、蓮實はこれがいちばん好きな筒井の小説といって、詳細に論じてみせるのだが、蓮實は『時をかける少女』が筒井の中で唯一、いやいや書かされた小説だと知っているのかな笑。さすがにイヤミで書いているわけではないと思うが。
 第三章は往復書簡。二人によるアクロバティックなペダントリーの大洪水がほんとよかった。いま、ペダントリーってよく思われないし、豪奢なペダントリーを開陳できる才能もほとんどいなくなってしまったが、これはじつにゴージャスだった。ふたりも老いて衰えたから(それは実感するが、しょうがない)、こうやってペダントリーで煙に巻くのはすばらしい。

 
NML で音楽を聴く。■シューベルトの「さすらい人幻想曲」 D760 で、ピアノはクラウディオ・アラウNML)。

 
夜。
涼宮ハルヒの憂鬱』(2006)第6話まで観る。かつて覇権を取った超有名作品だけれど、観るのがかなりつらいな。第6話のクライマックスの音楽は、マーラーの第八番か。(検索してみると、このあとの回でショスタコーヴィチラヴェルも出てくるらしい。)