レイモンド・チャンドラー『リトル・シスター』 / 玄侑宗久『四季の公案』

日曜日。休日(こどもの日)。晴。

NML で音楽を聴く。■バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第一番 BWV1002 で、ヴァイオリンはナタン・ミルシテインNMLCD)。■アルベニスの「イベリア」第一巻で、ピアノはクロード・エルフェ(NML)。「イベリア」よいな。

Albeniz: Iberia

Albeniz: Iberia

ブリテン弦楽四重奏曲第二番 op.36 で、演奏はエマーソン弦楽四重奏団NML)。
Britten/Purcell: Chaconnes & F

Britten/Purcell: Chaconnes & F

グバイドゥーリナの「喜びと悲しみの庭園」で、演奏は Tre Voci (NMLCD)。グバイドゥーリナおもしろいな。この人も遠くまで続いている人だ。
 
いい季節なので寝転がっているとすぐうとうとしてしまって、それがまたとても気持ちがよい。寝てばかりいるとぶたになるけどな。


チャンドラーを読んでいる。ミステリというのはどちらかというと苦手なのだが、チャンドラーはいつも哀しげな雰囲気に惹かれて読める感じ。まだ半分もいっていないけれどね。多少話が見えてきた。村上春樹訳です。

ガソリンスタンド。いまちょっとガソリンが高いな。

妹一家帰る。楽しかった。いつもありがとうと言いたい。


図書館から借りてきた、レイモンド・チャンドラー『リトル・シスター』読了。村上春樹訳。おもしろかったが、正直言って最後は ??? という感じ。チャンドラーはプロットが結構面倒で、テキトーに読んでいるとわけがわからなくなってくる。本小説でも、何人か死ぬわけだが、誰が誰を殺したのか、じつはわたしはよくわかっていない。それに、皆さんはどうだか知らないが、わたしはチャンドラーは終りかけの頃に感動させられるので、ラストはちょっと理に落ちる感じで拍子抜けしないでもない。繰り返すがおもしろかったけれど、もうチャンドラーは読まないかもな。村上春樹の訳はよいと思う。それから、従来親しまれてきた『かわいい女』という邦題は、村上春樹のいうとおり「意訳」で、あるいは誤訳であるといってもよいかも知れない。本書には食えない女はたくさん出てくるが、あまり「かわいい女」は出てこないように思う。

リトル・シスター

リトル・シスター

それから、かつて何かで読んだかしたのだが、舌を噛み切るだけでは死ねないそうですよ。

図書館から借りてきた、玄侑宗久『四季の公案』読了。おそらく、小むづかしいことが好きな人は本書を侮るであろう。というか、玄侑師を侮ると思う。わたしは現在の日本の知識人で、中沢さんのような人を別にすれば、玄侑師に多少でも着目した人は佐藤優さんくらいしか知らない(管見によればであるけれど)。その佐藤さんも、玄侑師に「わたしの本はあなたにはもの足りないでしょう」とパンチを食らって返答に窮しておられたが。まあ、中沢さんや安永祖堂老師のように、玄侑師をよくわかっておられる方ももちろんいるわけではある。本書は誰でも読めるやさしい語り口の本であるが、わたしにはわたしの未熟を思い知らされるおそろしい本でもあった。まあこれ以上書くこともないので止める。生きた仏教というものがいかにさりげない見かけを持ち得るか知りたい人は、玄侑師を読むのもよいかも知れない。

四季の公案

四季の公案