ウンベルト・エーコ『バウドリーノ(下)』

曇。
よく寝た。11時間くらい寝た。
REALKYOTO
SHADE さんがリンクしていて浅田彰さんのアーカイブを見つけた。狂喜乱舞(?)。ホントに僕は浅田さんが好きだな。どうしてかというと、実力があるから。かしこい人は世にいくらでもいるけれど、いまや実力がある人は本当に寥々たるものになってしまった(人のことをいえないのだけれど)。また浅田さんみたいにまともな人の少ないこと。本当はこういう人が「権威」にならないといけないのだけれどなあ。それに、浅田さんは己を「才能がない」と簡単に片付けてしまうし。変な時代である。
たぶん、浅田さんが圧倒的に実力があるとわからない人が殆どなのだろうなあ。エラそうなやつらならネットにでもゴロゴロしているのだけれど。

シェーンベルク弦楽四重奏曲第一番 op.7 で、演奏はコーホン四重奏団。
沈降。これも修行ですな。
僕はネットの「集合知」そのものは認めないことはないけれど、集合知も「知」だから、結局多くは自分の理解できることしか理解していないのだよね(当り前か)。特に状況が変ったとも思えない。バカは相変わらずバカで、そして実力者は極端に減ったという。ただ、皆んなが興味ある問題には興味があるという人は増えたと思う。いわゆるケインズ美人投票の話(って集合知賛美者は皆んな知っているよな)。で、だからなにっていわれるということがないですよね。
一流のアスリートになるには徹底的に身体を鍛えないといけないというのは誰でもわかるのに、知力はネットをダラダラと見ていれば付くと思うのは何なのだろう。まあいいんだけれど、ってよくないか。でも、オレもアホやしな。

ウンベルト・エーコ『バウドリーノ(下)』読了。堤康徳訳。なかなかおもしろかった。我々からすると澁澤龍彦を読みすぎたエンタメ作家の空想譚というところであろうか。もちろん本書の題材は澁澤から採られたものではないし、エーコ記号論のエラい人らしいが、僕はどちらかというと澁澤龍彦の方が好きである。本書はおもしろいことは保証するが、自分にはあまりにもあざとい物語に感じられる。まあ衒学的なエンタメが読みたい方には勧められるだろう。エーコファンの方にはごめんなさいと言っておく。

バウドリーノ(下) (岩波文庫)

バウドリーノ(下) (岩波文庫)