ベルクソン『思考と動き』

晴。
ベルクソン『思考と動き』読了。原章二訳。従来『思想と動くもの』という題で訳されてきた書物である。日本語としてよい散文になっていると思う。(はっきりと名指しはされていないが)岩波文庫の河野与一訳は、とても誤訳が多いらしい。河野は伝説的な語学者なのだが。ベルクソンは好きな哲学者だ。むずかしい言葉はまったく使っていないが、中身はとてもむずかしい。ベルクソンの発想は、考えるということを、自然な向きの反対側から遡っているからむずかしいのだ。ベルクソンに言わせると、これこそが哲学の思考法であるという。じつにオリジナルな哲学者だ。

思考と動き (平凡社ライブラリー)

思考と動き (平凡社ライブラリー)