晴。
新田義弘『現象学』読了。とても厄介な書物で、到底今の自分によくわかったとは云えない。しかし、時を経てきちんと再読する価値はあるような気がする。
- 作者: 新田義弘
- 出版社/メーカー: 講談社
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批判的想像力のために: グローバル化時代の日本 (平凡社ライブラリー)
- 作者: テッサ・モーリス=スズキ
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- 作者: 野上弥生子,加賀乙彦
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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TPP問題で自分がよくわからないのは、根本的に考えて、自由貿易と保護貿易のどっちらがよいのか、ということだ。原理的に答えが出るものではないのかも知れないのだが、歴史的に云えば、流れはずっと自由貿易の方にあるだろう。よく誤解している人がいるが(例えば内田樹氏)、外国貿易というのは必ずしもゼロサム・ゲームではない。双方が win-win の関係になることは充分ある、というか、基本的にはそうなるからこそ貿易が行われるのである。これは貿易というものが、経済学の基本である、「比較優位論」の典型的な対象だからだ。
しかし、原理的な点はそうであっても、今度のTPP問題で何やらきな臭いのが、先に議論に参加した国々の出した結論は、基本的に覆せない、と言われていることである。こんなのは交渉の名に値しないことは明らかだ。そこらあたりを、政府はきちんとしてもらいたい。もちろん、先に参加した国々の言う通りになどする必要はないのである。とにかくきちんとした交渉をすること。
※追記 ただ、次のようなことはあり得る。仮に農産物の輸入が自由化された場合、国内の農業が打撃を受けるとする。そのとき、日本の農業人口の殆どを占める兼業農家は、どうなるか。じつは兼業農家というのは、農業で食べているのではなく、例えば製造業に携わるのを本業としていることが往々にしてある。そちらの本業の方でTPPの利益を受け、さらに農業に注ぎ込まれる支援金で、丸儲けとなる可能性が高い。そして、大規模農業をやっている専業農家は、一方で窮地に立たされることがあり得る。こうしたシナリオは馬鹿馬鹿しい。兼業農家の年収は、平均で七〇〇万円を超えていることを、忘れるべきではない。