来村多加史『万里の長城 攻防三千年史』/戸田盛和『量子力学30講』

晴。寒い。最高気温5度。
来村多加史万里の長城 攻防三千年史』読了。万里の長城って、スケールのわりに、意外と役に立たなかったような… 建設に莫大な金がかかるし、却って王朝の基盤を弱くする原因になったりしている。隋はまったくそれだな。

万里の長城 攻防三千年史 (講談社現代新書)

万里の長城 攻防三千年史 (講談社現代新書)

戸田盛和量子力学30講』にざっと目を通す。量子力学の普通の入門書なのかなあと思って読み始めたのだが、結構個性的な教科書であるような気がする。トンネル効果はさらっと書いてあるだけなのに、非線形振動や局所ゲージ変換の講義があったりとか。経路積分の初歩の初歩もある。量子力学を学ぶのに、第一冊目の本ではないかも知れない。それはともかく、戸田先生の本は、自分と波長が合うのだよなあ。読んでいて楽しいのだ。面白かったのは、量子力学の時間的対称性についてのコラムの話で、自由粒子の波束がある時刻に一部に集中している場合、それはすぐに広がってしまうわけだが、それは未来ばかりでなく、過去へ向っても広がってしまうというのだ。戸田先生によれば、現在から離れた過去ほど推測はますます不確かになるから、それはそうであるとのこと。そんなものなのかしらん。自分には手に負えません。だいたい、波束というのが、理解があやふやで、いまひとつよくわからない。それから、(恥ずかしながら)もうひとつよくわからないのが、「ド・ブロイ波」というやつ。波動関数と同じなのかなあとも思うが、波動関数は基本的に複素数なのに、ド・ブロイ波は電子の回折を引き起こしたりするから、「実数的」なのか、どうなんでしょうか。たぶん愚問でしょうね。いずれにせよ、本書はもう少しじっくりと読んでみたい。
量子力学30講 (物理学30講シリーズ)

量子力学30講 (物理学30講シリーズ)

気になること。民主党だが、マニフェスト骨抜きだけれど、次の選挙のとき、はたしてまたマニフェストを作るのだろうか。
これでも民主党にはある程度期待していたのですがねえ。もう官僚の言いなりに成り下がってしまったのにはうんざり。年金「100年安心」ですか。ペテンもいい加減にしろ。
http://www.taro.org/2011/12/post-1136.php
ここにある案は、自分は(能力不足で)完全には理解できなかったので、自分はそのまま賛成というわけにはいかないが、まあ読んでみて下さい。