こともなし

日曜日。終日雨。
 
昼。
NML で音楽を聴く。■武満徹「ランド・スケープI」「妖精の距離」「揺れる鏡の夜明け」「悲歌」「ア・ウェイ・ア・ローン」で、ヴァイオリンは小川エチカ、竹澤健、ヴィオラは飛澤浩人、チェロは酒井淳、ピアノは永野英樹(NML)。

ショパンマズルカ第一番 op.6-1、第二番 op.6-2、第七番 op.7-3、バラード第四番 op.52 で、ピアノはアンナ・ザッシモワ(NML)。荒っぽいがなかなか聴かせる。■フランクのピアノ五重奏曲で、ヴァイオリンはカトリーヌ・モンティエ、ヴィオラはクリストフ・ゴーグ、トリオ・ヴァンダラー(NML)。 
夕方、ビワの実でコンポート作り。
 
夜。
澁澤龍彦の『偏愛的作家論』から瀧口修造讃である「卵形の夢」を読む。きわめて短いながら見事な作家論であり、間然することないエッセイだ。多面体である瀧口修造から詩人の面に光を当て、それも詩作品の中から「卵」のイメージを抽出して、論じている。
ユング心理学によれば、卵は復活と未来生活のシンボルであるが、滝口(ママ)氏の場合においては、この事情がいささか異なる。むしろ天使や愛を知った女人のみの近づきうる、一個のユートピアに似た、不可能の夢をぎっしり抱懐した物質が、すなわち卵であると理解したほうがよい。詩人の『視覚のプリズム』にとって、究極の憧憬の対象は、つねに卵形に像をむすび、卵形に凝固するのでもあろう。」
澁澤の散文自体が、ここではリリカルにイメージを凝縮させて、ほとんど高揚し、きらめいている。こういうものを見せつけられると、彼我の圧倒的な才能の差と同時に、深い感動を覚えずにはいられない。 
 
ラブひな』第18話まで観る。半分過ぎたくらいから、おもしろくなってきた。慣れてくると結構好きだな、この作品。あと、OP も(曲の打ち込み感が古くさいけれど)なかなかいい。