松田道雄『日常を愛する』

日曜日。晴。
寝る前にアニメとか You Tube 動画を観てばかりというのも何なので、超ひさしぶりに数学書を読んでみたら、全然読めなかった笑。なので、松坂和夫『現代数学序説』(ちくま学芸文庫)でリハビリをして寝た。アニメよりすっきり目覚められるというのは、僕にとってアニメがしんどいからだろうな。数学がラクということではなくて、所詮わたし程度では数学が身に食い込んでいないということ。

寒い。
カルコス。すっかり月二回のペースになってしまったな。日曜日のせいか駐車場はいっぱいで、喜ばしいことである。
 買おうと思っていて買えたのは、ちくま学芸文庫の『ワインバーグ量子力学講義』全二冊、まあわたしに読めるのかという疑いがあるが笑。それから、これは入らないのかなと思っていた、猪木武徳先生の『社会思想としてのクラシック音楽』。webちくま(だったっけ)で連載されていたときから、読むたび圧倒されて、単行本化されたらきっと買おうと思っていた。ちゃんと本屋にあってうれしい。
 北村太郎の『センチメンタルジャーニー』は、ねじめ正一の『荒地の恋』を読んだので。オビによると北村の自伝、絶筆だそう。草思社文庫というよく知らないエディションである。
 たまたま店頭で見かけたのが、ゲーテの『イタリア紀行』の新訳(全二冊)。これはシブい。古典新訳文庫にはときどき驚かされる。『イタリア紀行』はわたしはじつは原書をもっていて、学生のとき背伸びしてドイツ語の勉強に使おうと丸善で買ったのだ。岩波文庫をたよりに少し読んだが、もちろん途中でうやむやになった笑。岩波文庫版を通読したのは、さていつ頃のことだろう。しかし、買ったのはいいがこの新訳、全訳なのだろうか。

図書館から借りてきた、松田道雄『日常を愛する』読了。深い感銘を受けた。これまで何冊か松田さんの本を読んでいるが、一見ひどくやさしそうな文章だけれども、たぶんよくわかっていなかったと思う。松田さんには知的能力も到底及ばないし、感情の深さもさらに遠く及ばない。そもそも、そんな言葉では、松田さんの書くものを形容できないであろう。
 わたしは日々思っている。いまだって優れた人、かしこい人はたくさんいる。また、真面目で献身的な人だって少なくない。進んで人のために長く働き、世に知られない人だっているだろう。しかし、敢てまちがっているかも知れないことをいうけれども、そういう真面目な地の塩というべき人たちの、大きさが、いまの時代には足りない。真面目な人たちの力が足りないのだ、浅いのだ。松田さんの文章に感動して、ついこんなことを書いてしまった。自分のことをオミットしているつもりはない。