雨。
よく寝た。
午前中は睡眠の後始末でおしまい。とりあえずの中心は必要なのだな。
夕食後、寝てしまう。深夜起床。
古山高麗雄『編集者冥利の生活』読了。荻原魚雷編。本書を読んで、古山高麗雄というのは自然体の人かなと思った。いきり立つということがない。しかし、素っ気なさそうでいて、心の底を流れる感情の豊かな人でなかったかと思う。しかし、この人はよい人に好かれる。人徳とは、こうしたものではあるまいか。古山は編集者時代に知り合った岸田國士を師としているが、また岸田國士とは懐かしい名前である。といっても岩波文庫に岸田國士による翻訳が少なからず入っていることで、知っているだけであるが。それから、古本屋で岸田の小説を見つけて買って読んだ覚えがあるが、題も中身も思い出せない。ただ、よい文章を書かれる方だとはわかっていて、今回古山高麗雄の筆で立派な人物であることを知ったが、さもあっただろうと思った。
あとは、本書に出てくるのは、大岡昇平、江藤淳、森敦などの人々。みな清潔な人たちだと思う。あと、もちろん旧友の安岡章太郎も忘れてはいけない。それにしても、江藤淳の名前も聞かなくなったものだ。本書に収められている江藤淳への追悼文は、淡々としているが読んでいて悲しかった。江藤はかなり戦闘的な人だったから、碌なことが書かれないが、ここでの古山高麗雄や吉本さんの文章を読んでいると、まともな人だったことがよくわかる(エラそうに聞こえたらお許しを)。古山高麗雄も、端的に言ってまともな人だった。そして、まともな人というのはいつどこであっても滅多にいない。(AM03:10)
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