玄侑宗久『私だけの仏教』

晴。
音楽を聴く。■ベートーヴェン：ピアノ・ソナタ第二十五番op.79、第三十一番 op.110（ギレリス）。ギレリスのベートーヴェンは、かっちりとしていて素晴らしいなあ。音も澄明で美しい。他にどんな作曲家を録音しているのだろう。■ブラームス：弦楽四重奏曲第一番op.51-1（エマーソンSQ）。名演。■ヘンデル：フルート・ソナタイ短調op.1-4（ギレリス）。
ロールズを読む。
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玄侑宗久『私だけの仏教』読了。副題「あなただけの仏教入門」。仏教の入門書であるが、「一冊で仏教がわかる本はない」という立場で書かれたものである。題は、だから「玄侑流」仏教入門書という意味なのだ。読みやすいし、ユーモアが溢れているけれど、じつは相当に高度な内容も含まれている。しかしそれは、目立たぬところにさらっと書かれているから、なかなか気づきにくいかもしれない。玄侑さんはきちんとやるべきことをやっておられる稀な禅僧であるから（しかし残念ながら、そういうことはなかなか見えにくい。上から目線の凡庸な坊主の方が、どうも偉いように見えてしまうから、むずかしいものである）、そうした仏教者が仏教をどう考えているかを、読み取って欲しいと思う。本書から何を汲むかは、読み手次第なのだ。