飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ2023の配信を聴く

曇。
 
中心に光が集中して突き抜ける。寝転がっていたらうとうとする。
 
昼寝。何故か家の中に蠍がいて、驚いて退治する夢を見る。
 
柳ヶ瀬の老舗肉屋へ行ってランプステーキ肉などを買う。車外は33℃で、曇っているが溽い。行き帰りに車の中で、リヒテル晩年のバッハを聴く。イギリス組曲、イタリア協奏曲、フランス風序曲など。
 
NML で音楽を聴く。■ベートーヴェンのピアノ協奏曲第五番 op.73 で、ピアノは廣田俊司、飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ(NML)。クッソ泣いた。今年のライブも新譜が出ました! ハズレのない、飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラの演奏会録音。配信のみで CD が出ていないのは、じつにもったいない。ソリストもオケも辛口のすばらしい演奏で、この曲でこんなに泣いたことはない。ピアノの廣田俊司は高山出身ということで、たぶんほとんど無名のピアニストなんじゃないかと思うが(ちがったらゴメンナサイ)、隅々までクリアな、キレのよい、柄の大きい演奏で見事。この名曲の華やかな感じもよく出ている。オケも毎年どおり、たぶんそれほど編成は大きくないのだろう、特に弦のゴリゴリした、室内楽のような超絶技巧が感動的だ。いや、よかったなあ。

 
夜。
モーツァルト交響曲第三十六番 K.425、ディーリアスの「春を告げるかっこうを聞いて」で、演奏は飛騨高山ヴィルトーゾオーケストラ(NML)。これまたすばらしいモーツァルト。現代にあってモーツァルトを演奏するのはなかなかむずかしいのだが、ベーム流のいわゆる「ウィーン的な」モーツァルトではなく、ムダな贅肉を削ぎ落とした、キビキビいきいきした、現代に息づいたモーツァルト。名演です。ディーリアスはアンコールだろう、これもよい。
 
マーラー交響曲第四番で、ソプラノはザビーヌ・ドゥヴィエル、指揮はフランソワ=グザヴィエ・ロト、レ・シエクル(NML)。 
吉本隆明全集26』の雑文の類いを読んでいたら、知らぬ間に100ページを越え、深夜二時すぎになっていた。わたしは吉本さんの言っていることをすべて肯定するわけではないが(当たり前だ、そもそも、すべて理解できているわけもない)、そういうことと関係なく、吉本さんはわたしにとって大切な物書きだ。吉本さんはその罵倒はよく知られているけれど、わたしは、この人は何でこんなに自己評価が低いのかといつも思う。それにしても、わたしなどはまだまだというか、一生大したことがないにちがいない。これも、いつも思うことで、進歩がないな。